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【空木】(うつぎ) [日刊☆こよみのページ]

【空木】(うつぎ)
 ユキノシタ科の落葉低木。各地の山野に自生。高さ1~2メートル。樹皮は淡褐色・鱗片状。幹が中空なための名。初夏、鐘状の白色五弁花をつけ、球形の?果(さくか)を結ぶ。生垣などに植える。材は極めて固く木釘に用い、枝葉の煎汁は黄疸(おうだん)にきくという。広くはマルバウツギ・ヒメウツギなどの総称。ウノハナ。カキミグサ。夏の季語。〈本草和名〉 《広辞苑・第六版》

 空木は「卯木」とも書きます。「ウツギ」といってもピンとこないという方には、卯の花の木ですといったら思い浮かべてもらえるでしょうか?この時期には卯木の白い花を山の端の木暮の中に見かけます。薄暗い木暮の中も、卯の花の咲く場所はほんのりと明かりが灯っているかのようです。卯の花は固くて木釘にも使われるという空木の細くて強靱な枝にびっしりと対生します。花の一つ一つは釣り鐘型で、その花が下を向いて咲く様子は、白いシェードのついた電灯のようです。この小さな電灯が沢山並んでいるのですから、ほんのりと明かりが灯っているように見えても不思議ではありませんね。

◇卯の花と四月
 今日は旧暦の4/17。旧暦の 4月といえば卯月。卯の花が咲く月だから卯月なのか、卯月に咲く花だから卯の花なのか。どちらが鶏でどちらが卵かは定かではありませんが、この季節とこの花が切っても切れない関係にあると私たちの先祖が考えたことだけは間違いなさそうです。空木は丈夫な木で、枝を地面に挿しただけで根付くと言われます。その上花は美しいですから、万葉の頃から生け垣に使われたもので、ひょっとしたら日本最古の生け垣はこの空木の生け垣だったかも知れません。生け垣の空木が花を付けるのを眺めて、ああ四月(旧暦)になったのだななんて考えた万葉人がきっといたでしょうね。

◇空木の花は米の花
 空木の花を「コメゴメ」と呼ぶ地方があります。枝にびっしりとつく空木の白い小さな花が米の粒を連想させるためでしょうか。また空木の花が咲く季節は、昔は稲作の始まりの時期でもあり、白い米の粒を連想させるこの花の咲き具合でその年の稲の作柄を占うこともあったそうです。空木は日本中に自生する木。また庭木として育てられることもある木ですから気をつけて眺めてみればこの時期、きっとどこかでこの木の白い花を見つけることが出来ると思います。卯の花腐し(うのはなくたし)の雨が降り、この花が散ってしまう前に何処かに咲いているこの花を探してみてください。(「2021/05/28 号 (No.5354) 」の抜粋文)
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