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【蕗】(ふき) [日刊☆こよみのページ]

【蕗】(ふき)
 キク科の多年草。日本各地に自生、食用に栽培。茎は地中にあって甚だ短い。葉柄は長さ30~70センチメートル、上部に大きな腎臓形の葉をつける。早春、葉に先立って、大きな苞ほうに包まれた花茎、「蕗の薹(とう)」を生じ、多くの細かい白花を開く。雌雄異株。葉柄と花茎とは食用。寒地には巨大なアキタブキが、また園芸品種がいくつかある。夏の季語。 《広辞苑・第六版》

 蕗の葉というと傍らに流れる水を連想します。田んぼに水を運ぶ細い用水路を上から覆い隠すように広がる蕗の葉を連想するのです。蕗は水を好む植物ですが必ずしもいつも水の畔にあるわけではありません。ですが、流れる水を覗き込むように生える蕗の葉が一番蕗らしく思えます。普段見慣れた蕗の「茎」は実は葉柄で茎ではないと、冒頭の広辞苑の説明文を書き写す際に知りました。地下にあるという短い蕗の茎とは? 全く記憶にありません。そう言えば蕗は根元(正しくいえば葉柄元か?)で切り取ることはあっても、引き抜くということはあまりありませんから、地中の茎にはなかなかお目にかかれないようです。よって、蕗の茎は謎の存在のままです。蕗と関係する謎の存在といえばアイヌの伝説に登場するコロポックルという小人の話を思い出します。コロポックルとは、「蕗の下にいる人」という意味だとか。雨の日に葉をひろげた蕗の葉の下をのぞき込んだら、雨宿り中のコロポックルに会えるでしょうか? それとも会えるのは雨宿り中の雨蛙?水面も地面も覆い尽くすような沢山の蕗の葉の下には私たちの知らない世界が広がっているかも。コロポックルを小人と書きましたが、東北北部や北海道には葉柄の長さが1 ~1.5mほどにもなる大きな秋田蕗(アキタブキ)が生えますから、コロポックルが雨宿りするのもこの大きな蕗? だとすると、蕗の葉の下で出会うのは小人とはいえ雨蛙よりは随分大きな小人さんかもしれません。(「2021/06/03 号 (No.5360)」の抜粋文)
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