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「乃東枯る」の季節 [日刊☆こよみのページ]

□「乃東枯る」の季節
 ご存知の通り、6/21に二十四節気の夏至の節気に入りました。現在は二十四節気をさらに細分化したものに七十二候では乃東枯る(だいとう かるる)という時節にあたっています。七十二候にはよく目にする(現代の街中では難しいでしょうけれど)動植物の様子からものが多くあります。「乃東枯る」という言葉からは、どうやらこの「乃東」なるものが、植物らしいことが解りますので、これもよく見かける動植物の様子から生まれた言葉のようです。

◇乃東枯る(だいとう かるる)
 七十二候の中には、読んでもパッと意味がわからないものがあります。多分この「乃東枯る」もそんなパッと意味がわからないものの一つでしょう。以前、

 > 一寸前になりますが、七十二候の中で、二十八候「乃東枯る」の意味を
 > めぐって諸説紛々です。意味を教えてください。

 というメールを頂いたことがあります。やはり「乃東」じゃ、何のことかわからないですね。乃東とは枯るということから、どうやら植物らしいことは見当がつきますがさてどんな植物?

◇乃東 = ウツボグサ(靫草)
 さて、この謎の乃東ですが、その正体はウツボグサ(靫草)です。ウツボグサは別名「夏枯草(カコソウ)」といいます。この別名をみれば、なるほど夏には枯れる草です。そう言われても名前だけではピンと来ない方は、写真を掲載して下さっているサイトが沢山ありますのでご覧下さい。紫色のきれいな花です。→http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/utubogusa.html みればなるほど。田舎で生まれ育った私は子供の頃から、日当たりのいい田んぼの畦や草地でこの花を毎年見ていましたので、確かになじみのある植物。ただし子供の頃にこの植物が「乃東(だいとう)」なんて呼ばれることは知りませんでしたけれど。この花の花期は 6-8月頃。それを過ぎると花は枯れ、黒色化した花穂は夏枯草(かこそう)と呼ばれるようになります。夏の盛りで周囲の植物が青々と茂る中に花を終えて枯れてしまうように見えるため、この植物は夏枯草と呼ばれるようになったのでしょう。また、こんな風に他の植物とは違った季節変化をすることから物珍しく、七十二候に取り入れられたものと考えます。現在の私の勤務地は、まあまあの田舎。職場の周りには自然が一杯あり、本日話題とした乃東、つまり靫草ですが、これも職場の敷地の一角に群生しているのを見つけました。この群生している靫草は、今のところまったく枯れるそぶりも見せず元気に青紫色の花を咲かせています。

  乃東枯るの時節? そんなの俺たちには関係無いね!

 なんて言いそうに元気いっぱいです。あらら。
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