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【木枯し・凩】(こがらし) [日刊☆こよみのページ]

【木枯し・凩】(こがらし)
 (木を吹き枯らす意)
 1.秋から初冬にかけて吹く、強く冷たい風。冬の季語。源氏物語(帚木)
 「木枯しに吹きあはすめる笛の音を」
 2.(女房詞)(一説、その音からの称かと) すりこぎ。 ≪広辞苑・第六版≫

 「凩」は風の略形と木とをあわせたもので日本製の漢字です。なかなか分かりやすい文字です。「こがらし」と言う言葉自体、冬の初めのころに木に残った枯れ葉を吹き払う冷たい強風を表すにはピッタリの言葉。この言葉を耳にするだけで思わずコートの襟元を引き寄せてしまいそうです。気象の世界では、十月半ばから十一月半ばにかけて西高東低の冬型の気圧配置となって最初に吹く風速8m/s以上の西北西から北向きの風を「木枯らし一号」と呼ぶのだそうですが、そろそろ木枯らし一号が吹いたというニュースを耳にする季節となりました。木枯らし一号が吹いてもまだこの初冬の時期の冬型の気圧配置は長続きしないことが多くて、一日二日するとまた暖かい日がやって来ます。こんな暖かい日は小春日と呼ばれます。冬は木枯らしの日と小春日が相互に繰り返されることに始まり、徐々に木枯らしの比率が増えて、吹き払う木の葉が尽きてしまう頃に本番を迎えます。(「2018/11/16 号 (No.4430) 」の抜粋文)
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【小春日】(こはるび) [日刊☆こよみのページ]

【小春日】(こはるび)
 小春の頃のうららかな日。また、その日ざし。冬の季語。《広辞苑・第六版》

 旧暦、十月を「小春」、あるいは「小春月」ともいいます。旧暦の十月を「小春」と称したという例は、 6世紀の中国、その国の年中行事を記した荊楚歳時記という書物に登場します。その荊楚歳時記には「天気和暖にして春に似たり、故に小春という」という一節があり、これが「小春」という言葉の語源だそうです。旧暦では十月・十一月・十二月の期間が冬とされていましたから、その十月は冬の初めの月ということになります。この時期になると、朝起きると草の葉や木の枝が霜によって白く染まっていることがあります。北国では、初雪や初氷の知らせも届くようになります。これからしばらくは、寒い日々が続きます。そんな寒い日々が始まる初冬の時期に、ふと訪れる穏やかな晴天が小春日です。暖かな日が続く季節なら、さほど有り難みを感じないこんな日が、日増しに寒さのつのるこの季節にあっては有り難い一日となります。今朝の天気はと外を見ると、今朝は雲一つ無い・・・こともありませんが、雲一つか二つくらいしか浮かんでいないよい天気。今日はうららかな小春日となりそうです。ともすれば忘れてしまいがちな、暖かな陽差しの有り難さに感謝する一日にしたいと思います。(「2018/11/10 号 (No.4424)」の抜粋文)

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立冬の戯言 [日刊☆こよみのページ]

□立冬の戯言
 今日は11/7、暦の上の冬の始まりである立冬です。ついに、長く冷たく暗い(←言い過ぎ)冬が来てしまったんですね。立冬は、立春・立夏・立秋とあわせて四つの「立」、四立(しりゅう)の一つです。この四立は暦の上の四季の始まりの日とされる日です。ちなみに季節の始まりの四立は、季節の極みの日である春分・夏至・秋分・冬至の二至二分(あるいは、二分二至とも)とをあわせて暦の上の八つの区切り点と考えられ、二至二分と四立をまとめて八節(はっせつ)と呼ぶことがあります。

◇暦の上の季節の長さはまちまち
 季節の長さといっても、体感的な季節は「どこから何処まで」とはなかなか区切れないものですが、暦の上ではこの四立で季節を分けますから日数がはっきり解ります。暦の上では季節の長さがはっきり決まっていると言えば、では何日なのかなと考えるのが人情というもの。では早速、人情に従って2018年の立春から2019年までの立春までの期間で暦の上の季節の長さを調べてみることにします。四立の日付と、ついでに四立それぞれから始まる季節の日数を求めてみると

  立春 2018/02/04 (90日)
  立夏 2018/05/05 (94日)
  立秋 2018/08/07 (92日)
  立冬 2018/11/07 (89日)
  立春 2019/02/04

 365 日を 4で割ったら、91日ないしは92日となるはずですが、この結果から見ると、現実の四季の長さはそうなっていなくて、夏は長くて冬は短いことがわかります。これは太陽の周りを巡っている地球の軌道が楕円であることと、地球が太陽にもっとも接近する(近いほど動きは速くなる)近日点の通過が 1月の上旬にあることによります。北半球に住む私たちにとっては(特に寒がりの私にとっては)、冬の期間はちょっぴりですが短く「冬来たりなば春遠からじ」本当にそうなっているようです。まあ、あくまでも「暦の上」での話。気休めですけれど、気休めでも、無いよりましですよね?(「2018/11/07 号 (No.4421)」の抜粋文)
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紅葉蔦黄ばむ [日刊☆こよみのページ]

□紅葉蔦黄ばむ
 暦には季節の変化の目安となる二十四節気がありますが、それを更に細分化したものに七十二候もあります。二十四節気は中国から暦が伝来した時からほとんどその姿を変えず使われ続けていますが、七十二候の言葉には、日本に来て、日本の動植物の変化などを読み込んだものに入れ替えられて日本化して使われて来ており、このため本朝七十二候と呼ばれることもあります。さて、この本朝七十二候の11/2~11/6(2018年)に該当するものは 紅葉蔦黄ばむ(もみじ つた きばむ)で、立春の日の「東風凍を解く(はるかぜ、こおりをとく)」から始まる七十二候の54番目の候です。紅葉が始まり、蔦の葉が黄ばむ頃とは、まさに晩秋から初冬の風情ではありませんか。

◇カエデの紅葉日
 紅葉蔦黄ばむという言葉ですが、日本は南北に長い国土をもちますから、この七十二候に何処もぴったりというわけには行きません。地方毎にかなり違いがあると思います。そこで地方毎の紅葉の頃、蔦黄ばむ頃とはいつ頃だろうと思って調べてみました。調べてみたといっても、実際に調べてくれているのは気象庁の各地の気象台なのですが。気象庁では、植物および動物の状態が季節によって変化していく生物季節現象の観測を昭和28年から行っていて、その結果を公表してくれています。その中で私たちにもなじみのあるものとしては春の桜の開花日があります。「桜前線」などと呼ばれるものですね。では秋について桜前線に相当するような言葉が無いかと考えてみるとありました、「紅葉前線」という言葉が。山の木々の葉が紅葉する目安となる言葉ですね。前述した気象庁の生物季節現象の観測項目には紅葉前線の目安となりそうなものがあります。それが「カエデの紅葉日」というものです。この「カエデの紅葉日」とは『イロハカエデの標準木全体を眺めたときに、大部分の葉の色が紅色に変わった状態になった最初の日』となっています。気象庁の2017年の資料を見ると、各地のカエデの紅葉日は

  札幌  11/ 2  仙台  11/21  長野  11/17
  東京  11/29  名古屋 11/28  京都  12/ 1  大阪  11/24
  広島  11/20  高知  11/28  福岡  11/30  鹿児島 11/30

 の頃となっています。この通りだとすると紅葉前線は今頃、北海道から南下しようかどうか検討している頃でしょうか。

◇イチョウの黄葉日
 さて、「紅葉蔦黄ばむ」の紅葉をカエデの紅葉日で見てきたところでもう一つの蔦黄ばむに相当するものを気象庁の生物季節現象から探すと、蔦ではありませんが「イチョウの黄葉日」というものがありますので、これで葉の黄ばむ頃を見てみることにしましょう。『イチョウの黄葉日とは、標準木全体を眺めたときに、大部分の葉の色が黄色に変わった状態になった最初の日』となっています。カエデの紅葉日と同じく、気象庁の2017 年の資料から各地のイチョウの黄葉日を見ると

  札幌  10/31  仙台  11/29  長野  11/15
  東京  11/17  名古屋 11/ 9  京都  11/22  大阪  11/21
  広島  11/17  高知  11/10  福岡  11/28  鹿児島 11/27

 こちらも紅葉前線とほぼ軌を一にして津軽海峡の渡海作戦を検討中というところでしょうか。読者の皆さんがお住いの地域の紅葉日、黄葉日はさていつ頃でしょうか。晩秋~初冬の深い蒼色の空を背景にした紅葉、黄葉を今年も楽しみたいものです。「私の町のイチョウの木の葉が黄葉しました」皆さんからの、そんなお便りも楽しみに待っております。(「2018/11/02 号 (No.4416) 」の抜粋文)
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