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穀雨 [日刊☆こよみのページ]

□穀雨
 今年は4/20~5/5が穀雨。穀雨のような二十四節気の言葉は、一年を24の期間に分けたときのその期間(大体15日程度)を表す言葉でもあり、またその期間の始まりの日を表す言葉でもあります。穀雨は三月中気と呼ばれるもので旧暦ではこれを含む月が三月となります。さて、なぜこの時期が穀雨と呼ばれるかというと
 
  春雨降りて百穀を生化すれば也

 とか。つまり、田畑の穀物を育てる春の柔らかな雨が降る頃だからという意味です。二十四節気の中には解説が無いと意味の分からない言葉も有るのですが、「穀雨」はその文字を目にするだけでおよその意味が分かるものです。分かりやすい名前ですね。現在は太陽の位置を表す座標の一つ、黄道座標という座標系で黄経30°となる瞬間を含む日と定められており、新暦では毎年4/20頃(ここ暫くは、ずっと4/20)です。二十四節気はその決定のプロセスから見ると、太陽暦そのものですので、このようなことになるのです。新暦の場合、このように二十四節気の日付がほとんど変化しないので、二十四節気の存在意義が薄らいでしまっています。このため、「旧暦の二十四節気では・・・」などという使われ方をされることが多く、二十四節気は太陰暦によって決められるものだという誤解がはびこっています。二十四節気は一種の太陽暦。太陰太陽暦である旧暦にあっては、その「太陽暦」の部分を担う存在です。本日は朝から雨。この時期らしい優しい雨が降る一日となりそうです。(「2019/04/26 号 (No.4591) 」の抜粋文)

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春土用(2019) [日刊☆こよみのページ]

□春土用(2019)
 今日、2019/04/17は春の土用の入りです。やっと、コートが無くとも外を歩けるくらい暖かくなって、春らしい陽気になったなと思ったばかりなのに、今日はもう春の土用の入りです。春の土用ということは、間もなく春が終わってしまうということ。そんな殺生な!※もちろん、暦の上の話です。

 土用は四季それぞれの切り替わる時期の間に挿入された18ないし19日の期間です。四季それぞれの間に挿入されるわけですから、土用は年間4回です。元々は中国の五行説(木火土金水の5つの要素の組み合わせで森羅万象が成り立っているという古代の科学仮説)で季節の循環を説明するために四季に次のように五行の要素を割り振ったときあぶれてしまった「土」を四季の間に挟むことでバランスをとったものです。

  春:木 夏:火 秋:金 冬:水 ・・・ ?:土

 五行説的な考えでは土用は、季節と季節の間にあって、季節の交代を円滑にすすめる働きをするとされています。

◇春土用の期間
 春の土用の期間は現在は太陽の黄経(黄道座標の経度方向の値)が27°になる日から始まり、暦の上の夏の期間の始まりである立夏の直前の日までと決められています。立夏は 5/6ですから、春土用は 4/17~5/5の19日間ということになります。

◇春土用の間日
 土用の期間は、土公神(どくじん)という「土」を司る神様が力を強め、地上を支配する期間といわれ、土公神はその居場所をいじり回されるのを嫌う神様であるために土用の時期に、「土をいじる」行為は禁忌とされていました。土をいじることとは、土木工事、井戸浚い、耕作地を耕すこと、竈の改修などなど。沢山あります。この沢山ある行為を土用の期間である18~19日間行えないとしたら、こうした仕事をする人たちはたまったものではありません。そこで考え出されたのが、「土用の間日(まび)」。この土用の間日に当たる日は、土公神の障りの無い日とされています。間日は、各季節の土用毎に決まった十二支の日と決められていて、春の土用の間日は、巳・午・酉の日。今回の土用の間日は

  4/18,26,27,30 の 4日

 です。この間日の期間は土公神様が地上を離れていらっしゃるそうで、このため土をいじっても祟られないということです。「土公神様の居ぬ間の土いじり」というわけです。もちろん迷信ですので、気にしないという方は、こんなことにとらわれる必要はないですから、間日以外でももちろん大丈夫。さてさて、春の土用がやってきたということは暦の上ではもう立派な晩春。そう思うとなんか寂しい。桜の花も大分散ってしまいましたしね(東京では)。春の土用の入りに、ちょっぴり行く春を惜しむ気持ちの、かわうそでした。(「2019/04/17 号 (No.4582)」の抜粋文)
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【桜色】(さくら いろ) [日刊☆こよみのページ]

【桜色】(さくら いろ)
 桜の花のような色。淡紅色。「ほんのり桜色に上気する」 《広辞苑・第六版》

 今は桜と言えば染井吉野の花、桜色も染井吉野の花の色を思い浮かべるようになってしまっていますが、桜色という言葉が生まれた時代の桜は山桜。山桜は白い花とともに紅色の若葉が現れ、同時に見えることからまずは平安時代の貴族女性の衣装である十二単の色目の組み合わせとして「桜襲(さくらがさね)」が生まれました。もっとも元の花色に近い桜襲は「表白・裏赤花」という組み合わせであったといいます。この配色は、山桜の白い花と、その間から見える紅色の若葉の組み合わせを表したものでしょう。そして、白い花と紅色の若葉に彩られた山桜を遠望すれば、花と葉の色が混じり合って薄い紅色となり、これが桜色と呼ばれるようになったようです。桜色は布地の織色としては、縦糸(経、たて)を紅糸、横糸(緯、ぬき)を白糸で織ったものがもっとも桜色に近いとされます。染め色としての桜色は江戸の中期頃から広く使われるようになり、今に至っています。桜と関係する色名としては英名のチェリー(Cherry)、仏名のスリーズ(Cerise)がありますがどちらも、桜の花色ではなく、実であるサクランボの赤色を表す言葉。所変われば品変わるといいますが、国が違えば「桜」で想像するものが花と実の違いがあるようです。想像するものが花と実の違いがありますから、桜の色の意味する色も、違ったものになるのですね。現代の東京では大部分の桜は染井吉野。「桜色」という言葉が生まれた時代の桜とは、その花の色が若干異なっていることでしょうが、桜の花の色を愛する気持ちは同じ。東京の桜は盛りを過ぎ、今週に入ってからは散る花が増えてきています。現代の「桜色」を楽しむこの春の時間は、残り少なくなってきました。(「2019/04/09 号 (No.4574)」の抜粋文)


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【花冷え】(はなびえ) [日刊☆こよみのページ]

【花冷え】(はなびえ)
 桜の咲く頃に寒さがもどって冷え込むこと。春の季語。 《広辞苑・第六版》

 「花冷え」という言葉がぴったりの今朝の東京です。東京の桜は満開。花の色を見れば春が来たと思えるのですが、花を見上げる人たちのいでたちはというと、コートにマフラー。冬の装いです。春は、冬の寒さと夏の暑さが入り交じり、せめぎ合いながら徐々に冬の割合が減り、夏の割合が増えてゆく季節です。数日前は、「本当に春だね」と言いたくなるような暖かな日があり、早くお花見しなくちゃなんて気分にもなったのですが、昨日今日は一転して冬に逆戻りしたような寒さ。春の到来に浮かれる人間を見て、「まだまだ私は頑張りますよ」とばかりに冬が寒さを連れて戻って来たのでしょうか?「花冷え」は、こうした桜の花の時期にぶり返す寒さを表す言葉。一度、暖かい陽射しや風になじんだ身には、花冷えと呼ばれるこのぶり返しの寒さは、身にしみることひとしおです。一度は開いた桜の花も、「もう少し蕾のままでいればよかったかな」と後悔しているかもしれませんが、今や遅し。せいぜい、この寒さが和らいで気持ちよくお花見ができる時まで、桜の花よ頑張って!(「2019/04/03 号 (No.4568) 」の抜粋文)

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