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【ドクダミ】 [日刊☆こよみのページ]

【ドクダミ】
 (毒を矯める・止める、の意。江戸時代中頃からの名称)ドクダミ科の多年草。雑草として各地に分布。茎は高さ15~35センチメートル。地下茎を延ばして広がる。葉は心臓形で悪臭をもつ。初夏、茎頂に、 4枚の白色の苞(ほう)のある棒状の花序に淡黄色の小花を密生。全草を乾したものは生薬の十薬(じゅうやく)で、漢方で消炎・解毒剤などとして用い、葉は腫物に貼布して有効という。ドクダメ。古名シブキ。夏の季語。書言字考節用集「羊麻草、ドクダミ」《広辞苑・第六版》

 一昨日の誕生花に「ドクダミ」がありました。その時に書いておけばタイミングがよかったのですが、タイミングが外れてしまうのが日刊☆こよみのページ。本日もちょっとタイミングのずれたドクダミの話です。奄美地方では既に梅雨入りしたとのことですが、梅雨には早い東京でも昨日は雨でした。この季節に雨の中で元気溌剌として白い花を咲かせているのはドクダミ。そこかしこで見かけます。ドクダミは雨が降ると水が溜まるようなじめじめした場所を好んで群生します。しかし、そうでない場所には生えないのかといえばさにあらず。ドクダミの辞書には「好き嫌い」という言葉は無いようです。手折ると、強い臭気があることから毒草と考えられることがあるようで、その証拠に「手腐れ(てぐされ)」なんていう有り難くない別名も有ります。もちろんこれは誤解。それどころか、毒下し、切り傷、腫れ物、化膿などの治療に効果があり、十の薬にも匹敵するということから十薬と呼ばれます。どくだみは 4枚の花びらが正面から見ると「十」の文字に見えるような花を付けます。生きた草を手折るとするあの臭気も干したり茹でたりすると消えるそうで、食材にもなるそうです。残念ながらどんな風に料理したらいいのかは知らないのですが。ドクダミの生命力は強く、東京でも至る所でその白い花を見ることが出来ます。量としては食材とするに十分。どんな風に料理したらいいのかわかれば試してみたいものです。「恐いもの見たさ」的な興味ですけれど。あ、その前に料理道具の準備が必要か。(「2020/05/17 号 (No.4978) 」の抜粋文)

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筍生ず (七十二候の一つ) [日刊☆こよみのページ]

□筍生ず (七十二候の一つ)
 本日は七十二候の一つ、「筍生ず」の期間の始まりの日です。「筍生ず」は二十四節気、立夏の末候。七十二候全体としては21番目の言葉です。清々しい初夏の頃の言葉です。本来は「筍生ず」ではなく、「竹笋生ず」と書いて「ちくじゅんしょうず」あるいは「たけのこしょうず」と読みます。「笋」は「筍」の異字体です。ただ、「竹笋」では、現在は何のことだか通じそうもないので、こよみのページでは「たけのこ」を「筍」の文字にしております。七十二候は、もとは中国で生まれたものが日本に輸入されたものですが、輸入後、大分日本化が進み、日本生まれの七十二候の言葉も増えています。本日紹介している「筍生ず(竹笋生ず)」も日本で生まれた七十二候の言葉です。

◇王瓜生(おうかしょうず)
 七十二候が日本に輸入された時、立夏の末候にあったのはこの言葉。「王瓜」とはカラスウリのことだといいます。カラスウリは中国では、根、種子とも薬として用いるそうです。中国の周の時代に成立したという礼記(らいき)、月令(がつりょう)には、「王瓜生ひ、苦菜秀づ」という一文がありますから、古くからなじみのある植物だったようです。日本でも秋になると、黄色や赤に色づいた実がなりますから目立つのですが、実をつけるまではあまり目を引く植物ではありません。花はちょっと変わった形の白い花で、夏の頃に咲きますから、そこから考えると今頃の時期に芽が出て、成長して行くのだろうと予想はつきます。とすれば、日本でも「王瓜生」でもよさそうですね。

◇日本ではタケノコ
 七十二候の言葉には沢山の動植物の名が入っているのですが、日本には無い植物などもあって、そのため内容は大きく「日本化」されて来ました。ですが、カラスウリは日本でもさほど珍しい植物ではないのになぜこれがタケノコに変わってしまった。なぜなのでしょう?おそらく、日本では中国ほどカラスウリを利用することがないため、珍しくはなくともなじみが薄く、目立たないカラスウリより、目立ってかつ初夏の食材として欠かせない地位を占めるタケノコの方が、季節をよく表すと考えられたのでしょうか。七十二候が輸入されてからさほどの間もなく「王瓜」は「竹笋」に置き換えられていました。もしかしたら、この記事をお読みの方の中にも、今日の夕食の膳にタケノコが入った一品が並ぶという方もいらっしゃるかも。そうした方がいらっしゃいましたら、あ、そういえば今日は「筍生ず」の日だったなと思い返していただければ幸いです。(「2020/05/15 号 (No.4976) 」の抜粋文)

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