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【水引】(みずひき) [日刊☆こよみのページ]

【水引】(みずひき)
 1.進物用の包紙などを結ぶのに用いる紙糸。細い紙縒(こより)に水糊を引いて乾し固めたもの。多くは数条を合せて、中央から染分けにしたもので、普通祝事・進物用には紅白・金銀・金赤などを用い、凶事には白・藍白・黒白などを用いる。2.タデ科の多年草。山野の陰地に自生し、茎は高さ約60センチメートル。通常、葉の表面に暗紅色の斑がある。夏秋の頃、赤色の小花をまばらに穂状につけ、それを 1に見たてた。白い花のものを「銀水引」、紅白まじりの ものを「御所水引」ともいう。ミズヒキグサ。漢名、毛蓼。「水引の花」は秋の季語。《広辞苑》抜粋
 語源辞典を引くと、 ・紙縒を水に引き渡して染めたところから ・紙縒に糊水を引くところから水引の紙縒の義
・潤沢をもって人倫の交わる礼儀の祝象とするところから ・神仏の供養や人に物を贈る時、水を添えるインドの風習の代用として金と銀の水引をそえたところからなどの語源の説が有ります。これは最初の広辞苑の 1の水引の説明。冠婚葬祭の際には、紅白の水引を使うべきははたまた、金銀?紅い方が左だったか、右だったか・・・と思い悩んだ挙げ句、最初から水引が結ばれている出来合いの包で間に合わせてしまう、あの水引の説明ですね。一方、 2の水引はと言えば、これは水引草という植物のこと。水引草は、林や藪に普通に生える多年草。普通は雑草の一つとして数えられ植物でしょう。花は小さく花弁はなく、顎が四裂し、上の三裂は赤色、下の一裂片は白色とは、植物図鑑の説明。花が小さくてそんな細かなところまではなかなか判りませんが30cmも有ろうかという細長い花穂に点々とこの小さな花が並んで、上から見ると赤色に、下から見れば淡白に見え、なるほど紅白の水引のよう。そんな水引草が、梅雨の明けたばかりの暑い夏の一日、道ばたの藪の中から何本も、その長い花穂を周囲の草の上に差し掛けているのを見つけました。「あれ、気の早い水引だ」とその花に目が留まったので、その気の早い水引の名を今日のコトノハに書いてみました。それにしても、水引の花は華という呼び名には似つかわしくないほど「華」のない花。こんな地味な花に目を留めて、「水引」なんていう洒落た名前を考えたのはどんな人だったのでしょうか?現代だったら、ただの雑草としてかたづけられてしまったかもしれませんね。水引の花が咲いたということは、知らぬ間に季節は秋へと移り変わる準備を始めたと云うことでしょうか。そういえば今は土用の期間。暦の上では夏から秋へと季節が移り変わる、そんな時期でしたね。(オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2007/07/31 号)

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