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【葉守の神】(はもりの かみ) [日刊☆こよみのページ]


【葉守の神】(はもりの かみ)
 樹木を守護するという神。柏の木に宿るという。枕草子40「柏木、いとをかし、葉守の神のいますらむもかしこし」 《広辞苑・第六版》

 柏は柏餅を巻いているあの葉っぱの木です。子供の頃住んでいた家には小さな畑がありました。その畑の隅にこれまた小さな一本の柏の木が植えられていました。柏の木は大きな葉っぱが特徴ですが、あの大きな葉っぱも冬になるとすっかり枯れてしまいます。不思議なことに柏の枯れ葉は他の木の枯れ葉のように、枯れても木から離れようとはしません。枯れたまま枝に残り、翌春に新しい葉の芽が生まれるまで枝に留まります。昔、家の畑の隅に植えられていた小さな柏の木も、小さいながら冬は枯れた葉を身にまとって冬の風に揺れていました。柏の木に残る枯れ葉は、柏の木に宿った神に守られて残っているのか、はたまた、枯れてもなお木を守る枯れ葉そのものが神なのか。もし何処かでカサカサと枯れ葉の擦れ合う音を耳にすることがあれば、そこに木を守る葉守の神がいらっしゃるのかも知れません。葉守の神に守られて木々は厳しい季節を乗り切って行きます。

                          (「2023/12/04 号 (No.6274) 」の抜粋文)
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