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【花水木】(はなみずき) [日刊☆こよみのページ]

【花水木】(はなみずき)
 ミズキ科の落葉小高木。北アメリカ原産で、庭木・街路樹として栽植。園芸品種もあり、春、白色または淡桃色の 4枚の大きな苞葉に包まれた花をつける。アメリカヤマボウシ。 《広辞苑・第六版》

 桜の花もそろそろ終わり(東北や北海道はまだ?)替わって花水木の季節となりました。花水木の花には、白と薄紅色があります。庭木や、街路樹としても植えられることの多い花なので、桜の花が終わった頃に入れ替わるように花を咲かせる花水木を、それとは知らず眺めていたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。今ではすっかり、晩春の日本を彩る花の一つとなっている花水木ですが、辞書の説明にもあるとおり、原産地は北アメリカ。日本へのやって来たのは大正 4年(1915年)のこと。明治45年(1912年)に東京市長であった尾崎行雄がアメリカに桜の苗木を贈った(有名なポトマック河畔の桜)返礼として届けられたのがこの花水木でした。日本にやってきたのが大正 4年ということですから、日本にきてからまだ百年程と意外に「新参」の木です。その割には日本の風土に良くとけ込んでのは、その花の風情が日本人の好むものだったからでしょうか。それとも元々日本の山地は、花水木の親戚筋となる山法師(やまぼうし)が自生し、庭木としても親しまれていたことから、異質なものとは感じなかったからでしょうか。ともあれ、すっかり日本の花の一員となった花水木。見上げるその花の向こうに空の青を見るようになると、春も終わりが近いなと感じさせてくれる花となっています。

                          (「2023/04/18 号 (No.6044)」の抜粋文)
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【木五倍子・木付子】(きぶし) [日刊☆こよみのページ]

【木五倍子・木付子】(きぶし)
 キブシ科の落葉小高木。山地に生ずる。高さ2~3メートル。春、葉に先立って多数の黄色花を穂状に垂らす。果実を粉とし、付子(ふし)の代用として黒色染料とする。材は杖・柄・楊枝などとする。マメブシ。漢名、通条花。 《広辞苑・第七版》

 久しぶりに山歩きをしてきました。ちょっと怪我をしてしまって、ご無沙汰していたのですが、春になって気候もよくなり、怪我の方もよくなっているので思い立って、近所の山を歩いてきました。その山歩きの中で、沢山見かけたのが本日採り上げた木五倍子の花。ブドウの房のように小さな花を連ねた木五倍子の花穂をそこかしこに見ました。春の山にはつきものの木五倍子の花です。木五倍子は、その実にタンニンが含まれていて黒色の染料として使われたヌルデの木の若芽などに生じる瘤状の虫えい、五倍子(ぶし)の代用となることからこの名が付いたのだとか。木五倍子といえば、漢字が四文字あるのにひらがなで書くと「きぶし」と三文字となってしまうことが不思議だったのですが、この不思議の元は五倍子で「ふし」と呼ぶところから来ていたのですね。木五倍子の花穂に近寄ってみると、花穂を形作る一つ一つの黄緑色の花は直径が2~3mmくらいの小さな物ですが、きちんと花らしい形をしています。木五倍子は日本全国の山野にごく普通に見かける木ですので、この時期にご近所の山などを歩けば、沢山の木五倍子の花穂が春風に揺れる姿を見ることが出来ると思います。暖かな春の日差しの元で山歩きをする機会があれば、木五倍子の花を探して見てください。

                          (「2023/04/02 号 (No.6028) 」の抜粋文)
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