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二十四番花信風・2023 [日刊☆こよみのページ]

二十四番花信風・2023
 冬至の後の二十四節気(にじゅうしせっき)、「小寒」から春の終わりの「穀雨」の季節に、それぞれの時節に咲く花を知らせる風のことを二十四番花信風(にじゅうしばんかしんふう)といいます。寒い季節に、早く花咲く春がやってきて欲しいと思うとき、毎年思い出すのがこの「二十四番花信風」の話。今年も採り上げてみます。小寒から穀雨までの節気は8。それぞれの節気に咲く花が3種類ずつ配され、二十四種類の花の名が列びます。ちょうどこの期間の七十二候(しちじゅうにこう)に一つずつ配される格好になります。

 ・小寒
  【1/06 梅】 【1/10 山茶(椿・つばき)】 【1/15 水仙】

 ・大寒
  【1/20 瑞香(沈丁花・じんちょうげ)】 【1/25 蘭】 【1/30 山礬(灰木・はいのき)】

 ・立春
  【2/04 迎春(黄梅)】 【2/09 桜桃(山桜桃・ゆすらうめ)】 【2/14 望春(辛夷・こぶし)】

 ・雨水
  【2/19 菜(菜の花)】 【2/24 杏】 【3/1 李】

 ・啓蟄
  【3/06 桃】 【3/11 棣堂(山吹・やまぶき)】 【3/16 薔薇】

 ・春分
  【3/21 海棠】 【3/26 梨】 【3/31 木蓮】

 ・清明
  【4/05 桐】 【4/10 麦】 【4/15 柳】

 ・穀雨
  【4/20 牡丹】 【4/25 荼靡(頭巾薔薇・ときんいばら)】 【4/30 楝(栴檀・せんだん)】

 上記は、七十二候の日付(日付は2023年のもの)と対応する二十四番花信風の花の名前です。今日は1/29、大寒の次候ですから、対応する花は蘭です。大寒に入ってから、寒さもいよいよ本格的になってきましたが、寒さに負けず咲く花を見れば、咲く花の移り変わりとともに季節も着実にその歩みを続けている様子を感じ取ることが出来ます。小寒に始まる二十四番花信風、24の花とともに、穀雨の末候まで、今年も季節の歩む様を感じて行きたいと思います。

                          (「2023/01/29 号 (No.5965) 」の抜粋文)

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二十四節気の最後、大寒 [日刊☆こよみのページ]

□二十四節気の最後、大寒
 今日(2023/01/20)は二十四節気の大寒(だいかん)の節入り日です。大寒は、

  冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也

 冷えることの極みで、とっても寒いので「大寒」と呼ばれます。実に解りやすい名前です(解り易いのが一番)。今年は冬がそんなに寒くならないかななんて思っていましたが、さすがにこの時期になると「やはり冬は寒いものだ」と思わざるを得ません。それに週間予報によれば、週明けには今シーズン一番の冷え込みとか。大寒ですね。大寒は、二十四節気のなかでは十二月中(じゅうにがつちゅう)と言うもので、この日を含んだ月を旧暦では十二月としました。現在の二十四節気の計算方法は、太陽が空の何処に見えるかを黄道座標(こうどうざひょう)という座標で測って、その経度方向の角度である黄経が 300°となった瞬間を含む日が、大寒の節入りとなります。

◇ちょっと寄り道 ・・・ 二十四節気について
 余談ですが、二十四節気は一年を時間や太陽の位置によって一年を24分したものです。現在は既に述べたとおり太陽の位置によって決める方式をとっており、黄経15°毎に区切っています。この区切りとなる節入りの日が目立つため「今日は二十四節気の大寒です」といった表現をするので、その日一日だけが大寒だと思う方がいらっしゃるようですが、これはちょっと違います。二十四節気は、その始まる日(あるいは、その瞬間)を「節」とか「節入り」と呼び、節と次の節までの期間を「気」と呼びます。ですから、今年の大寒の例で云えば

  2023/1/20 ・・・・・ 大寒の節(節入り)
  2023/1/20~2/3 ・・・ 大寒の一気

 ということになります。二十四節気は区切りの「節」とその期間の「気」の両方を表す言葉です。両方あわせて「節気」だと思って頂ければ分かりやすいですね(そうそう、解り易いのが一番!?)。

◇大寒は二十四節気の最後
 大寒の次の二十四節気はというと立春。立春はその名の通り「春立つ」、春が始まるという意味です。四季の巡りで見た一年を春夏秋冬と言い表すように、日本では伝統的に春を一年の始まりの季節と考えてきました。この考えからすると春の始まりである立春は一年の始まりとも云えます。大寒の次の二十四節気は一年の始まりの立春ですから、大寒は一年最後の二十四節気とになります。大寒は寒くて辛い時期ではありますが、ここを過ぎればもうすぐ春。暖かい春を夢見て、二十四節気のこの大寒の一気を耐えて行くとしましょう。そうそう、大寒に対応する七十二候の初候は、

  蕗のとう花咲く

 寒いけれど、雪の下で植物たちは花を咲かせる準備をはじめているのです。私たちも負けずに、新しい季節の巡りの始まりに向かって準備を始めることにしましょう!(最後の一文は、やや強がりです・・・)

                          (「2023/01/20 号 (No.5956) 」の抜粋文)
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寒中のあれこれ [日刊☆こよみのページ]

■寒中のあれこれ
◇寒中の頃
 寒中は小寒と大寒の期間です。今年でいえば 1/6~2/3 がその期間ということになります。ああ、まだその半ばにも達していないんですね、この寒い季節。つ、辛いわ~辛い、辛いとぼやいていても仕方がないので、話の種として使わせていただくことにして、本日は寒中の話題あれこれです。寒中の期間となる小寒と大寒、二十四節気にはこの小寒と大寒のように「小と大」の組み合わせとなるものが他にもあります。小暑と大暑、小雪と大雪がそれです。この小、大は程度を表していると考えると解りやすいですね。「小」はその時期に入ったばかりで、これからこれからといった感じ、いわば序章です。そして極まるのが「大」。小寒の現在は、さあこれから寒い期間に入り、その後には寒さが極まる大寒が控えているという目印ですね(やっぱり、辛いわ~)。

◇寒中見舞い
 正月には年賀状を送る慣習が広く広がっていますが、寒の入りを迎えた頃からは新年の挨拶状である年賀状から「寒中見舞い」にその姿を変えます。寒中見舞いといえば、これと対をなす存在が暑中見舞い。こちらは夏の暑中(小暑~大暑の間、今年は7/7~8/6)の時期に出す挨拶状。暑中見舞いはよく見かける挨拶状ですが、それに比べて寒中見舞いはあまり見る機会がありません。やはり、その直前に大量に行き交う年賀状がありますから、年賀状の直後にまた寒中の挨拶状も無いと言うことでしょうか。先方が喪中などで、年賀状が送れ無かった場合など、寒中見舞いとして送るなどと言うことも以前はありましたが、昨今は年賀状そのものを送ることも徐々に減ってきていますから、年賀状代わりの寒中見舞いなんかも、もう行われなくなったかも知れませんね?

◇寒の行事
 寒の時期には、この厳しい寒さをはね返し、心身を鍛練しようと言う行事があります。寒中水泳、寒中登山、寒稽古、耐寒訓練などがそれです。寒の時期にこうした行事があるのは単に寒い時期だからでしょうか?勝手な想像ではあるのですが、何かが極まるという特別な瞬間には、特別な力があると考えたのではないでしょうか。寒さが一年で一番厳しい時期、寒さが極まるには、なにか特別な力があって、そうした力を取り入れようと言う意味があるように思えるのですが。如何でしょうか? (今のところ単なる想像です)。

◇寒の雨
 諺に

  寒の中(かんのうち)の雨は親の乳房
  寒雨(かんあめ)降ったら麦俵造っておけ
  寒九(かんく)の雨

 などというものがあります。いずれも寒の時期の雨を豊作の予兆だとする言葉です。大体、寒の時期は空気が乾燥しており、雨が降ることが少ないのですがこの時期に降る雨は万物を潤し生気を与える雨だと考えられて有り難がられました。「寒九」は寒の入りから九日目の日のことで、この日に雨が降れば田植え時にも十分な雨がえられて豊作を約束されると考えられました。そう言えば、冬は植物の生長の準備期間であり、この期間に植物は根を伸ばして春の芽吹きを待つ時期で、この時期にどれだけ根が伸ばせたかで、その後の成長の度合いが左右される季節だと考えられました。その冬の極みの時期である寒に降る雨は、根を伸ばしつつある植物にとっては正にに恵みの雨。恵みの雨でしっかりと根を伸ばせれば、その後の植物の生育は約束されたようなものだと考えたのではないでしょうか。以上、寒にまつわるあれやこれやを書き連ねましたが、ご存じのとおり私は大の寒がり(略して「大寒」・・・ではない)。寒の期間は出来るだけ暖かい部屋に籠もって春を待ちたいと思って下ります。

                          (「2023/01/14 号 (No.5950) 」の抜粋文)
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