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【柏】(かしわ) [日刊☆こよみのページ]

【柏】(かしわ)
 1.ブナ科の落葉高木。高さ15メートルに達し、樹皮に深い裂け目がある。葉は大きく、周辺に深い波状の鈍鋸歯がある。枝葉ともに細毛を密生。雌雄同株。4~5月頃、新葉とともに黄褐色の尾状花序を垂らす。樹皮のタンニンは染料、材は薪炭、葉は食物を包む。モチガシワ。炊葉(かいば)。誤って「ははそ」ともいう。
 2.柏(はく)(ヒノキ・サワラ・コノテガシワなどの常緑樹)を古来「かしわ」と訓みならわす。
 3.(多くカシワの葉を使ったからいう) 食物や酒を盛った木の葉。また、食器。くぼて。ひらで。
 4.「かしわもち」の略。
 5.紋所の名。カシワの葉をとり合せたもの。抱き柏だきがしわ・違い柏・三つ柏・三葉柏など種類が多い。
  《広辞苑・第五版》

 端午の節句には柏餅を食べましたか?本日は柏餅に使われる「柏」の話です。

 日本で柏といえば、柏餅の柏に代表される幅広い葉っぱを思い浮かべますが漢字の本家、支那では「柏」と書く植物は針葉樹なのだそうです。広辞苑の意味 2に「ヒノキ」とあるのもそのためでしょうか?つまり、支那と日本とでは「柏」といっても全く姿の違う植物。それなのに同じく「カシワ」と呼ばれるようになった理由について、その植物の利用法が共通だからではないかという説があります(湯浅浩史氏)。米や粟などの調理法は元は蒸気で蒸し上げることが一般的で、これを「カシキ(炊き)」といいました。下面に小さな穴を開けた土器に米などが穴に入らないように、木の葉を敷いて入れ、これを水の入った別の容器の上に載せて火にかけ、蒸し上げるという調理方法だっただろうといわれます。このときに容器に敷く葉を、「炊く葉」で「カシワ」と呼んだのではというのがその説です。このとき使われた葉が支那ではヒノキ他の針葉樹の葉で、日本ではコノテガシワなどの広葉樹の葉。形は違えど利用法は同じ。その利用法から違う植物に同じ文字が当てられてしまったのではないかというものです。

 支那と日本で全く違う見た目の植物に同じ漢字が使われている理由としては、なかなか説得力のある説明のように思えます。さてどうでしょうか。真相は遙か昔の炊煙の向こうかな?(『2013/05/08 号 (No.2412)』の抜粋文)

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