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【花の兄】 [日刊☆こよみのページ]

【花の兄】
 (四季の花の中で他の花にさきがけて咲くからいう) 梅の雅称。梅暦「時をえがほや花の兄」《広辞苑・第六版》

 ここ数日の寒さも緩んで、昨日は暖かい一日でした。「春の陽差しって、これだったよね」と歩きながら独り言が出てしまうような穏やかな日でした。もう、海と言ってもおかしくないほど河口近い川の上に架かった橋を渡っていると、水面に反射して陽の光が下にも輝いていました。頭上と足下の両方から陽差しを受けていたからでしょうか、一層暖かく感じることができました。そんな橋の袂で、1本の梅の木が花を咲かせていました。立春は過ぎ、暦の上では春となったとは言え、この時期はまだまだ寒い日が続きます。春の花たちの多くは冬の眠りの中。北の国ではしっかり、雪の布団に覆われています。そんな、「春の花」にはまだ早いこの時期に、他に先駆けて目を覚ます花があります。そんな早起きの花が梅の花です。梅は他の花に先駆けて咲くことから「花の兄」と呼ばれます。また、春の訪れを知らせてくれる花という意味で「春告草(はるつげくさ)」あるいは、梅暦とも呼ばれます。日本ではすっかり早春には欠かせない花となっている梅ですが、実は舶来の花だったということを、ご存知ですか?とはいえ海を渡ってやって来たのは昨日や今日と云うものではなく奈良時代の昔のことですが。梅よりも後から目を覚ます日本古来の春の花たちからすれば、梅は余所から養子縁組でやって来た義理の兄弟といったところでしょうか。しかしそんな義理の兄であった梅も、日本の春の花に加わって千数百年、その間、しっかりと役割を果たしてきましたから、今ではすっかり頼り甲斐のある花の兄として、日本という風土にとけ込んでいます。そして今年も早起きした花の兄は、まだ眠りの中の弟妹達に目覚めの時期を知らせてくれているようです。(「2019/02/17 号 (No.4523) 」の抜粋文)
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