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半夏生(はんげしょう) [日刊☆こよみのページ]

□半夏生(はんげしょう)
 半夏生は、七十二候の「半夏生ず」からでて、今は雑節としても暦に取り入れられています。七十二候の半夏生は中国から伝えられたものですが、雑節は日本の生活に必要なものとして日本で暦に取り入れられていったものです。他にも七十二候は沢山ある(あたりまえですが、七十二候というくらいですから72ある)のですが、他の候が俳句の季語やこの日刊☆こよみのページくらいでしか見かけなくなっているのに、この半夏生は一人だけ出世した感じですね。(雑節だって、日刊☆こよみのページくらいでしか見掛けないかな?)

◇天地に毒気が満ちる日
 「半夏生」は半夏という植物が生える日。この日は天から毒気が降り、地上に毒が満ちる日とされています。このためこの日に採った山菜や野菜は食べてはならないとか、井戸から水を汲んではいけないなどの言い伝えが有りました。「半夏」とは烏柄杓(カラスビシャク)という植物の異称です。烏柄杓は浦島草(ウラシマソウ)や蝮草(マグシグサ)などの仲間で、何となくおどろおどろしい感じのする植物。このおどろおどろしさが「天地に毒気が満ちる日」なんて連想を生んだのかもしれません。この植物は山と接した畑の端などに今でも見かけることが有ります。日当たりが良くて、柔らかい土が好みのようです。漢方薬では生薬としても利用されます。どんな植物か気になる方は、ウキペディアに写真入りで紹介されていますから、そちらをご利用ください。

◇田植えの終わりの日
 暦の雑節は、日本の生活に密着して無くてはならないものが取り入れられたものなのですが、半夏生にはどんな意味があったかというと、田植えの終わりの日という意味がそれにあたります。半夏半作という言葉が、古い農民の諺に有ります。天候不順で田植えが遅れていても、半夏生までに田植えが済めば平年の半分程度の収穫は望めるというもの。逆の言い方をすれば、半夏生を過ぎて田植えをするようではその半作すらも望めないと言うことです。こうした諺が出来たことからも、半夏生が農民にとって稲作の上での重要な節目になる日だったということが判ります。この稲作上の節目の日という意味から、数多の七十二候の中から、「雑節」へと昇格したものだと思われます。

※これは、稲の早生化が進む前の話。現在は稲の品種改良が進んでしているので、ここまで田植えが遅くなることはないと思います。

◇半夏と半夏生
 元々の七十二候は「半夏生ず」で、半夏という植物が生えるという意味ですが、迷惑なことに「半夏生(はんげしょう)」というそのままの名の植物も有ります。この植物は夏が近付くと、葉っぱの一部が「白化」して半分だけ白粉を塗ったかのような様相を呈するため、「半化粧」と呼ばれるようになったとか、半夏生の時期に花を咲かせる(花と言っても大変地味で、花という感じではありませんけれど)からこの名が付いたのだとも言われます。名前は似ていますが、半夏(烏柄杓)とは全く別の種類の植物です。これまた気になる方は、ウキペディアに写真入りの説明が有りますのでご確認ください。さ、「天地に毒気が満ちる日」なんてちょっと不吉な感じのする日ですが、実際に毒気が満ちるわけではありません。気にせず、今日も元気な一日を過ごしましょうね。(「2019/07/02 号 (No.4658)」の抜粋文)


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