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暦の上の梅雨明け [日刊☆こよみのページ]

□暦の上の梅雨明け
 梅雨に入ってそろそろ一月近く。今朝も東京は雨で始まる一日ですが、そろそろ梅雨が明ける時期かなと云うことで本日は「暦の上の梅雨明けの日」について書いてみることにしました。

◇暦の上での「出梅」
 暦の上には暦と季節の動きを結びつける季節点が幾つもあります。有名なところは、二十四節気がそれです。梅雨に関わるものとしては、梅雨入りを示す「入梅」も暦の上の大切な季節点の1つとなっています。ここで気になるのは、梅雨入りを示す「入梅」があるならこれと対となる梅雨明けを示す言葉はないのかということ。ありますよ、もちろん。「入梅」の反対ですからそれは「出梅」。あるにはありますが、あまり一般的ではないですね。現在でも「入梅」の方は暦の上の雑節として採り上げられることがあるのですが、残念なことに「出梅」の方は、何処かに置き忘れられてしまったようで、暦の上から姿を消してしまっています。なぜだろうかな?入梅を始めとした季節点の多くは、現在は太陽の黄道上の位置で決められています。例えば「入梅は太陽の視黄経が80度となる日」と云った具合です。昔は、二十四節気との関係で表すことが多く、「入梅は『芒種』以後の最初の壬(みずのえ)の日」のように決められていました。二十四節気は太陽の位置に基づいて決定されているものですので、二十四節気を基準にすると云うことは、間接的に太陽の位置から求めていると云うことが出来ます。「最初の壬(水の兄)の日」辺りには、梅雨だから水の気と関係が有るに違いないという、五行説の考えが垣間見えます。さて、「出梅の話」なのに入梅の話ばかりしておりますが、それは既に書いたとおり、出梅は入梅に比べるとあまりぱっとせず、定義もはっきりしないからです。入梅は太陽視黄経が80度の日とされているのですが、出梅はというと、はっきりした定義は無さそうです。入梅があって出梅がないというのもバランスの悪い話ですので、何か手がかりはないかというと、昔の出梅の定義が有りました。それは、「出梅は『小暑』以後の最初の壬の日」と云うものです。入梅が芒種以後の最初の壬の日でしたから、出梅が小暑以後の最初の壬の日というのは、なかなか判りやすい。後半の「最初の壬の日」のために年ごとの入梅や出梅の日の太陽視黄経は同じ値にはならなくなってしまいますが、それでも平均すると入梅はだいたい現在の定義である太陽視黄経80度あたりとなります。出梅もこれと同じ規則だと考えれば、「小暑以後の最初の壬の日」の太陽視黄経は平均すると 110度程になります。これを現代の暦の上の出梅の定義だと考えて、この日を計算してみると、

  2020年の太陽視黄経が 110度となる日 → 7/12

 となります。あと3日ですね。ちなみに、古式ゆかしく「小暑以後の最初の壬の日」を計算すると、それは7/8。こっちは、昨日。昨日気がついていれば古式に則った「出梅」の日を目出度くお伝え出来たのに。気づくのが遅かった。残念。

◇今年の出梅の日
 西日本、特に九州では今年は豪雨による被害が相次いでいます。梅雨明け近くになるとこうした豪雨被害が出やすい天気となるそうなのですが、今年は多くの死者を出すほどの被害が出てしまっています。もうこれ以上災害を引き起こさないうちに、雨の季節が終わってくれないかなと思うかわうそでした。(「2020/07/08 号 (No.5031) 」の抜粋文)
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