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白露の季節 [日刊☆こよみのページ]

□白露の季節
 「陰気ようやく重なりて露こごりて白色となれば也」これは江戸時代に出版された暦の解説書、「暦便覧(著者 太玄斎)」にある「白露」の説明です。二十四節気の「白露」の期間9/8~9/22(2023年)。今年も陰気が凝って露となる季節となりました。現在の白露の節入り日は黄道座標という座標で示した太陽の中心の黄経が 165度になる瞬間を含む日とされています。明確な定義ではありますが、暦便覧の説明などを読んだ後では、少々味気ない気がします。ちなみに、白露という言葉の解説に引いた暦便覧が書かれた天明七年(1787)当時の二十四節気の計算方式は冬至と次の冬至の間隔を日数で24等分する恒気法という計算方式をとっていましたので、この方式で計算すると白露の期間は 9/6~9/21となります。現在の太陽の黄経で分ける方式とは、時期が微妙に異なっていました。ま、2日程度の差ですけれど。

◇秋は露の季節?
 今回採り上げたのは白露ですが、二十四節気にはもう一つ露がつくものがあります。それは「寒露」。白露から一月ほど後、今年(2023年)は 10/08から寒露の季節に入ります。白露と寒露、暦の上では秋は露の季節ということになりそうです。暦の上では露の季節。では実際の天気では?「季節の366日 話題事典」(倉嶋厚 著)によれば、1934年4月から1年間、日本(福岡)において露の量を観測した例があるそうで、その結果は

  春 2.84mm , 夏 2.30mm , 秋 3.52mm , 冬 2.20mm (総計 10.86mm)

 となっているそうです。残念ながらこの本には、春夏秋冬を何処で区切っているかといった記述がありませんし、観測自体1箇所1年分しか無いので暦の白露、寒露との正確な比較は出来ませんが、どうやら実際の気候からしても秋は「露の季節」らしいことはわかります。ちなみに秋の季節の暦の上にある二つの「露」のうち、秋の終わりに近い寒露は寒い季節の露なので寒露(二十四節気では、その次は「霜降」。露が霜に変わります)。では、白露はなぜ白い露? 確かに草の葉に付く露を白露(しらつゆ)とも呼びますから、そのまま白露でもおかしくありませんが、暦として考えると、おそらくこの「白」という色は秋という季節を表す色の「白」なのでしょうね。さてさて、日刊☆こよみのページの読者の方には、朝早く散歩をなさっている方、農作業等をなさっている方など、随分いらっしゃるようです。そうした方の実感では、秋は露の季節なのでしょうか?皆さんの「実感」も教えて頂きたいですね。

                          (「2023/09/14 号 (No.6193) 」の抜粋文)
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