SSブログ

寒露の頃 [日刊☆こよみのページ]

□寒露の頃
 明日から二十四節気の一つ、寒露の時節となります。寒露は九月節ですので節切りの暦ではこの日から九月となります。現在は、太陽の中心が黄道座標という天体の位置を表す座標(主に太陽系内の天体の位置を表すのに使われます)で、経度 195度となる瞬間を含む日を「寒露」の節入りの日としています。今年、2018年で云えばその日は明日、10/9~10/22が寒露の期間です。江戸時代に出版された暦便覧という本では寒露(かんろ)を陰寒の気に合って、露むすび凝らんとす れば也と説明しています。このころになると秋もその深さを増して、朝夕は草の上に冷たい露を結ぶようになります。朝、散歩(たまにしかしませんけど)をしていると、確かに草の葉には露が結んでいます。夏草に結ぶ露ならば、露に濡れても暑さを凌ぐ一助ともなって心地よいものですが、寒露の頃の露に触れると、その冷たさに思わず身震いしてしまいます。

◇金生水(きんしょうすい)
 五行説では秋は金気、つまり金属の性質を持った季節とされています。金属は、触れば堅くて冷たいものです。金属のこの「堅い」という性質から、秋は堅い木の実(栗やどんぐり、椎の実など)、穀物の実(稲や大豆)が実る季節なのだと古代の人々は考えました。また、ひんやり冷たい金属の表面には露がつきやすいことから、金属は水を生み出す性質があるとも考えられました。ですから五行の金気は相生説では、「金生水(金、水を生ず)」と説明されることになりました。こう考えると、金気の季節、秋に二十四節気の内で「露」の着く白露や寒露という名が使われたのもよく分かります。秋は、実りをもたらすとともに、大気を冷やしてせっせと水を生み出す季節なのですね。

◇秋も終盤
 寒露は暦の上の秋の始まり、立秋から数えて60日目頃。一年を四季に分割すれば、一つの季節の長さはおよそ90日ほどですから、秋も終盤と云うことが出来そうです。このころになると菊の花が咲き始め、秋の野にも様々な花を見ることが出来ます。山の木々の葉はそろそろ紅葉の準備に入るころですし、足下の草露は冷たいですけれど、目には楽しい時期といえそうです。さて、寒露を過ぎ更に寒さが増して行けば、やがて冬がやってきます。冬は五行説では水気の季節。金気の秋が草の上に露を結ぶことを繰り返すと、やがて水気の冬が来る。古代の人々はこうして四季が交替して行くと考えたのでしょう。とっても単純な考えですけれど単純だからこそでしょうか、妙に納得できるものがあります。二十四節気が誕生してから二千年経っても、人間は相変わらず単純に出来ているようです(少なくとも、私は)。(「2018/10/07 号 (No.4390) 」の抜粋文)
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。