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新旧・秋の七草 [日刊☆こよみのページ]

□新旧・秋の七草
 今日から節切りの暦(二十四節気の「節気」で暦月を区切る暦)では九月に入ります。節切りの暦では秋は七月~九月ですから、いよいよ秋も終わりの月に入ったということです。秋も残すところ、一月か・・・。おっと、秋が終わらないうちに、秋の話題は使い切ってしまわないと。ということで、本日は少し遅れた感はありますが、新旧の秋の七草の話について書いてみたいと思います。

◇いろいろな、秋の七草
 秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花
 萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花また藤袴 朝貌の花 (山上憶良)

 秋になると、思い出すのは秋の七草の名。そして浮かぶのはこの山上憶良の七草ですが、実際にこの七種類の花を秋の野で探し出すのはかなり難しい。藤袴などは殊に。私は野原に咲いている藤袴を見たことがありません。憶良さんも、もうちょっと見つけやすい花を選んでくれていたらよかったのに。おっと、ボヤキはこの辺までにして、そろそろ本題に。秋の七草というと、どうしてもこの憶良の選んだ七つの名が浮かびますが、何も秋に咲く花はこの七種類だけというわけではありません。それどころか秋は、多くの花の咲く季節ですから、七つに限定するのが難しいほど多くの花が咲きます。いろいろな「七草」があってもいいですね。そう思うのは何も私だけではないようです。花の好みは、時代によっても変わるでしょうし。私のように、これ以外の七草があってもよいのではと考える人たちがいて、「新秋の七草」というものもいくつか考えられておりました、例えば昭和10年に、東京日日新聞社(現在の毎日新聞東京本社)が当時の各界の名士に依頼して選んだものがあります。

  コスモス 白粉花 秋海棠 葉鶏頭 菊 彼岸花 アカノマンマ

 がそれです。アカノマンマは犬蓼(いぬたで)の異称ですが、私にもアカノマンマのほうが、花のイメージが湧きます。もっとも、私の場合は「アカマンマ」としてくれた方がしっくりきますけれど(子供の頃、そう呼んでいたもので)。秋の七草で「犬蓼」だと、ちょっと悲しい名前のような気もしますし。別に「犬」を悪く思っているわけではありませんので、愛犬家の皆様、お気を悪くなさらぬように。他に、昭和55年に植物学者の本田正次博士らが選んだ

  ホトトギス ノギク カルカヤ ヒガンバナ マツムシソウ またワレモコウ リンドウの花

 というのもあります。読みの調子は、憶良の歌にあわせてあってよい感じですが、「カルカヤ」ってどんな花だったかな? なんて思い出せない花もありますけれど。どうでしょう、新旧(+新々?)秋の七草。あなたのお気に入りは? あるいは、お気に入りの花は入っていますか?秋の七草は、何か決まった七つでなければいけないというわけではありません。沢山の花の咲くこの季節、その多くの花の中から、自分の秋の七草を探してみましょう。秋の七草を探すというより、それを切っ掛けとして秋に咲く沢山の花に目を向ける楽しさを知るためにも。(「2018/10/09 号 (No.4392)」の抜粋文)
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