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紅葉蔦黄ばむ [日刊☆こよみのページ]

□紅葉蔦黄ばむ
 暦には季節の変化の目安となる二十四節気がありますが、それを更に細分化したものに七十二候もあります。二十四節気は中国から暦が伝来した時からほとんどその姿を変えず使われ続けていますが、七十二候の言葉には、日本に来て、日本の動植物の変化などを読み込んだものに入れ替えられて日本化して使われて来ており、このため本朝七十二候と呼ばれることもあります。さて、この本朝七十二候の11/2~11/6(2018年)に該当するものは 紅葉蔦黄ばむ(もみじ つた きばむ)で、立春の日の「東風凍を解く(はるかぜ、こおりをとく)」から始まる七十二候の54番目の候です。紅葉が始まり、蔦の葉が黄ばむ頃とは、まさに晩秋から初冬の風情ではありませんか。

◇カエデの紅葉日
 紅葉蔦黄ばむという言葉ですが、日本は南北に長い国土をもちますから、この七十二候に何処もぴったりというわけには行きません。地方毎にかなり違いがあると思います。そこで地方毎の紅葉の頃、蔦黄ばむ頃とはいつ頃だろうと思って調べてみました。調べてみたといっても、実際に調べてくれているのは気象庁の各地の気象台なのですが。気象庁では、植物および動物の状態が季節によって変化していく生物季節現象の観測を昭和28年から行っていて、その結果を公表してくれています。その中で私たちにもなじみのあるものとしては春の桜の開花日があります。「桜前線」などと呼ばれるものですね。では秋について桜前線に相当するような言葉が無いかと考えてみるとありました、「紅葉前線」という言葉が。山の木々の葉が紅葉する目安となる言葉ですね。前述した気象庁の生物季節現象の観測項目には紅葉前線の目安となりそうなものがあります。それが「カエデの紅葉日」というものです。この「カエデの紅葉日」とは『イロハカエデの標準木全体を眺めたときに、大部分の葉の色が紅色に変わった状態になった最初の日』となっています。気象庁の2017年の資料を見ると、各地のカエデの紅葉日は

  札幌  11/ 2  仙台  11/21  長野  11/17
  東京  11/29  名古屋 11/28  京都  12/ 1  大阪  11/24
  広島  11/20  高知  11/28  福岡  11/30  鹿児島 11/30

 の頃となっています。この通りだとすると紅葉前線は今頃、北海道から南下しようかどうか検討している頃でしょうか。

◇イチョウの黄葉日
 さて、「紅葉蔦黄ばむ」の紅葉をカエデの紅葉日で見てきたところでもう一つの蔦黄ばむに相当するものを気象庁の生物季節現象から探すと、蔦ではありませんが「イチョウの黄葉日」というものがありますので、これで葉の黄ばむ頃を見てみることにしましょう。『イチョウの黄葉日とは、標準木全体を眺めたときに、大部分の葉の色が黄色に変わった状態になった最初の日』となっています。カエデの紅葉日と同じく、気象庁の2017 年の資料から各地のイチョウの黄葉日を見ると

  札幌  10/31  仙台  11/29  長野  11/15
  東京  11/17  名古屋 11/ 9  京都  11/22  大阪  11/21
  広島  11/17  高知  11/10  福岡  11/28  鹿児島 11/27

 こちらも紅葉前線とほぼ軌を一にして津軽海峡の渡海作戦を検討中というところでしょうか。読者の皆さんがお住いの地域の紅葉日、黄葉日はさていつ頃でしょうか。晩秋~初冬の深い蒼色の空を背景にした紅葉、黄葉を今年も楽しみたいものです。「私の町のイチョウの木の葉が黄葉しました」皆さんからの、そんなお便りも楽しみに待っております。(「2018/11/02 号 (No.4416) 」の抜粋文)
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