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【木守り】(きまもり) [日刊☆こよみのページ]

【木守り】(きまもり)
 1.来年もよく実るようにというまじないで、木に取り残しておく果実。きまぶり。木まぶい。
  狂言、合柿(あわせがき)「返せ合わせ柿と、言えども言えども、取り残さるる木守りの」
 2.(比喩的に)最後に残ったもの。  《広辞苑・第七版》

 実がもがれた後の柿や蜜柑の木に、ポツンと一つだけ取り残されたように残る実があります。初冬の時期に葉が落ちて裸木に近くなってしまった柿の木の高い梢にたった一つ、自分が柿の木であることを主張するようにたった一つ熟した柿が残る風景を見たことはありませんか?果実の木の実を全て取りつくしてしまわずに、こうして一つだけのこす風習は昔からあって、最後に残した実のことを木守りと呼びます。来年もまた沢山の実をつけてくれるようにと言う願いを込めた行為だといいます。

◇木守りは「木名乗り」か「木名残り」か?
 木守りの語源として考えられるものに木名乗りと木名残りがあります。木名乗りは、葉が落ち切って裸木になるとその木が何の木なのかよく判らなくなってしまいますが、こうして一つだけでも実を残しておけば、この木が何の木なのかすぐにわかります。それはまるで木が 我こそは柿の木なり と声高々に名乗りを上げているようだと言うものです。これに対して木名残りは、実を実らせる季節が過ぎてもその季節の名残を最後に残した実に留めると言う意味のようです。見上げた木に一つだけ残った実は、高い梢にあったために取り残されただけのものなのか、木守りの風習を知る人が残したものか、残った実を見ただけでは判りませんが、偶然にせよなんにせよ、その一つの実に木の名乗りの声を聞き、去っていった季節の名残を感じる楽しみは味わえます。(「2022/12/15 号 (No.5920) 」の抜粋文)
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