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柚湯と冬至南瓜 [日刊☆こよみのページ]

□柚湯と冬至南瓜
 明後日は冬至。今年ももう、そんな時期になってしまいました。冬至はクリスマス行事に隠れてしまってちょっと影が薄らいでしまっていますが、暦の上では大事な基点。この日を境として新しい四季の巡りが始まる日ですから、冬至にまつわる行事も多く残ります。本日は、明後日に迫った冬至にまつわる行事の中でも広く行われている柚湯と冬至南瓜(かぼちゃ)の話をしてみましょう。

◇柚湯(ゆずゆ)
 冬至の日に柚を浮かべた風呂に入ると、一冬風邪をひくことが無いという言い伝えがあります。柚はそのまま丸ごとのものをいくつか湯に浮かべるという所もありますし、半分に切って布製の袋に入れて湯につける所もあります。我が家では布製の袋(現在はお手軽に洗濯用ネット)に1/2に切った柚を数個入れて湯に浮かべています。湯に漬かった柚からは、精油成分が溶け出してこれの入ったお風呂に入ると、からだがぽかぽかと暖まります(最初は、ちょっとチクチクした感じがします)。柚湯には血行促進の効果があり、冷え性、腰痛、神経痛の緩和に効果があるとか。冬至は、太陽の南中高度が最も低くなる日(北半球では)で暦の上では冬の極みなのですが、気候的に考えるとこの日を境に寒さが募る日でもありますから、これからの寒い日々に風邪などひかず元気に過ごせるようにと言う呪いの意味があります。また、「ユズ」は「融通」に通じて、お金の周りが良くなりますようにと言う願いも込められているとか。柚の数を増やせば増やすほど金回りが・・・なんてことまでは言いませんけれど。柚湯は季節の変わり目に健康に注意しようと言う考えと、季節の節目に行う禊ぎの風習が結びついた行事では無いかと考えられています。禊ぎと言えば「水」でしょうけれど、冬のこの時期に「水」というのは、何かの修行をしている方以外には辛すぎますから、柚湯でよかったですね。

◇冬至南瓜(とうじかぼちゃ)
 冬至には南瓜を食べる風習があって、これを冬至南瓜と言います。冬至には他にも、冬至粥(とうじがゆ)といって、小豆の入ったお粥をたべるという地方もあります。冬至南瓜や、冬至粥は春を呼び戻す神を祀って、この神に供えた食べ物を一緒に食べるという祭事がその元にあると考えられます。春を呼び戻すと言うことは、太陽の力を再び呼び戻すと言うことで、太陽の力の戻ってくる「南」から伝来した珍しい南瓜という夏野菜(南瓜は、外来の野菜。日本には、「カンボジア」経由で伝えられたところから「カボチャ」と呼ばれるようになったそうです)南瓜は、太陽の力の復活を願う行事の供え物としては最適だったのでしょう。名前だって「南の瓜」。本当にピッタリですね。南瓜は食べ物としてだけ見ても栄養価が高く、また夏野菜であるにもかかわらず、長く保存出来るものですから、野菜の少ない冬の時期には貴重な栄養源にもなります。冬至の日に南瓜を食べると、中風にならず、風邪もひかないと言う言い伝えが各地に残りますが、単なる呪いだけでない栄養学的な理由もあると言うところでしょうか。さて冬至の日の皆さんの食卓に冬至南瓜が並ぶでしょうか?そしてお風呂には柚が浮かびますか? おっと、うっかりしていたな なんてことの無いように、南瓜と柚の調達をお忘れなく(←自分に言い聞かせている?)。寒さが厳しくなり、本格的な冬を迎えるこの時期、南瓜で栄養をつけ、柚湯で体を温めて、寒い季節を乗り切りましょう!

※参考 冬至のはなし (Web こよみのページ) http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0748.htm

                          (「2022/12/20 号 (No.5925)」の抜粋文)
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