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【半夏生草】(はんげしょうそう) [日刊☆こよみのページ]

【半夏生草】(はんげしょうそう)
 ドクダミ科の多年草。どくだみよりも大形で、一種の臭気がある。湿った場所を好む。草丈は60センチ~1メートル以上にもなる。葉は7月の初め頃に茎先の2~3枚が白くなる。(半夏生白あざやかに出そめたる 福井圭児)。それと同時に浅黄色の小花を密生した花穂(かすい)を出す。葉が白くなるのは虫を呼ぶためという。名の由来は、七十二候の半夏生の頃に葉が白くなるからとも、また、葉が半分だけ白くなるのを半化粧ととらえたといわれ、どちらとも決められない。《今井千鶴子:講談社 新日本大歳時記(夏)》

 半夏生草はまた、「半夏生(はんげしょう)」「片白草(かたしろぐさ)」とも呼ばれるドクダミ科ハンゲショウ属の植物です。解毒、解熱のための生薬ともなり、「三白草(さんぱくそう)」とよばれることもあります。そのままずばり「半夏生」とも呼ばれる植物ですので七十二候の「半夏生」がこの植物が生える季節と誤解されることがあるようです。ややこしいのですが七十二候の「半夏生」は

  半夏(はんげ)、生ず

 の意味で、半夏と呼ばれる植物が生える頃という意味ですが、こちらの半夏はカラスビシャク(烏柄杓)というサトイモ科の植物。今回採り上げた半夏生草とは全くの別物。その姿形も全く違います。名前の出来方などを考えると七十二候の半夏生がまずあって、その時期に葉の白化現象で目立つこの植物に半夏生草の名前がついたのでしょうが、気がつけばこの植物のおかげで植物分類の属名にまで「ハンゲショウ属」なんかが出来てしまいました。本家の半夏、烏柄杓が嫉妬してしまうかも。ただ、この半分白い葉っぱの姿が印象的な半夏生草は生育場所が減少していて、現在絶滅が危惧される植物の一つ。見つけることが段々と難しくなっています。段々と、季節を表す風物が減っていってしまうのは淋しいですね。

※本家半夏の烏柄杓と本日採り上げた半夏生草の写真ですが、Web こよみのページの暦と天文の雑学の中の「半夏生」の記事の中にどちらも載せておりますので、興味とお時間がある方はご覧ください。

  半夏生 http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0605.html

 最後は体よく、記事の宣伝でした。

                          (「2023/07/02 号 (No.6119) 」の抜粋文)

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