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寒露 [日刊☆こよみのページ]

□寒露
 今日は二十四節気の一つ、寒露の節入り日です。寒露は九月節で、節切りの暦ではこの日から九月となります。旧暦では暦月3ヶ月毎に季節を分けて考えており、七~九月が秋の季節とされておりましたので、九月といえばもう秋も終わりの月、晩秋の月となります。もうそんな時期なんですね。江戸時代に出版された暦便覧という本では寒露(かんろ)を

  陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすれば也

 と説明しています。このころになると秋もその深さを増して、朝夕は草の上に冷たい露を結ぶようになるということですね。朝、散歩(たまにしかしませんけど)をしていると、確かに草の葉には露が結んでいます。夏草に結ぶ露ならば、露に濡れても暑さを凌ぐ一助ともなって心地よいものですが、寒露の頃の露に触れれば冷たさに思わず身震いしてしまいます。

◇金生水(きんしょうすい)
 五行説では秋は金気、つまり金属の性質を持った季節とされています。金属は、触れば堅くて冷たいものです。金属のこの「堅い」という性質から、秋は堅い木の実(栗やどんぐり、椎の実など)、穀物の実(稲や大豆)が実る季節なのだと古代の人々は考えました。また、ひんやり冷たい金属の表面には露がつきやすいことから、金属は水を生み出す性質があるとも考えられました。ですから五行の金気は金生水(金、水を生ず)と説明されます。このように考えると、金気の季節である秋に二十四節気の内で「露」の着く白露や寒露という名の節気が配されている理由が分かります。秋は、実りをもたらすとともに、大気を冷やして水を生み出す季節なのですね。

◇秋も終盤
 寒露は暦の上の秋の始まり、立秋から数えて60日目頃。一年を四季に分割すれば、一つの季節の長さはおよそ90日ほどですから、秋も終盤と云うことが出来そうです。このころになると菊の花が咲き始め、秋野のにも様々な花を見ることが出来ます。山の木々の葉はそろそろ紅葉の準備に入るころですし、足下の草露は冷たいですけれど、目には楽しい時期といえそうです。さて、寒露を過ぎ更に寒さが増して行けば、やがて冬がやってきます。冬は五行説では水気の季節。金気の秋が草の上に露を結ぶことを繰り返すと、やがて水気の冬が来る。古代の人々はこうして四季が交替して行くと考えたのでしょう。とっても単純な考えですけれど単純だからこそでしょうか、妙に納得できるものがありますね。季節がこうして移り変わってゆくというのはすてきですが、出来ればそんなに早く冬を呼ばなくてもいいと思うのですけどね。最後は寒がりかわうそのぼやきで終わる寒露の話でした。

                          (「2023/10/08 号 (No.6217) 」の抜粋文)
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