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暑い季節の始まり・三伏の候 [日刊☆こよみのページ]

□暑い季節の始まり・三伏の候
 今日は、暑さの厳しい日とされる三伏(さんぷく)の始め、初伏の日です。梅雨が明けて(あるいは、間もなく明けて)今年もいよいよ「真夏」がやって来ました。「三伏」はそうした暑い時期を呼び表す言葉の一つで、この期間に含まれる暑い時期を三伏の候などとも呼びます。この三伏の候という言葉を日常に使うことは希だと思いますが、暑中見舞いの文面に織り込んで使うことは、今でもあるのではないでしょうか。三伏には「初伏・中伏・末伏」の三つがあります。それぞれの日付は

  初伏 ・・・ 夏至以後、三度目の庚の日
  中伏 ・・・ 夏至以後、四度目の庚の日
  末伏 ・・・ 立秋以後、最初の 庚の日

 として計算するのが一般的です(こよみのページではこの方法で計算しています)。計算方法についてはこの方法の他に、次のような方式も在ります。

 ・別法1
  初伏 ・・・ 夏至以後、三度目の庚の日
  中伏 ・・・  〃  、四度目の庚の日
  末伏 ・・・  〃  、五度目の庚の日

 ・別法2
  初伏 ・・・ 小暑以後、一度目の庚の日
  中伏 ・・・  〃  、二度目の庚の日
  末伏 ・・・  〃  、三度目の庚の日

 それぞれの方式で今年(2018年)のそれぞれの日付を計算すると

 ・標準方式: 初伏 7/17 , 中伏 7/27 , 末伏 8/16
 ・別法1 : 初伏 7/17 , 中伏 7/27 , 末伏 8/06
 ・別法2 : 初伏 7/07 , 中伏 7/17 , 末伏 7/27

 となります。上記の日付からすると今日7/17は、どの方式で計算しても三伏の一つとなります(初伏かあるいは中伏)。

◇三伏の日の意味
 三伏の日というのは中国古代の五行説(ごぎょうせつ)から生まれた暦注の一つで、この日は季節の性質と日の性質が合わず、ギクシャクした(調和のとれない)日だと考えられました。季節の性質と日の性質とはなにかですが、季節はといえば言わずと知れた夏。夏は五行説では「火」の性質を持つ季節です(大変分かりやすい解釈)。次に日の性質ですが、これは上記三伏の日付計算に「○○の庚の日」と書いた「庚(かのえ:金の兄)」がそれを表します。

  庚の日 = 金の兄の日

 「兄」は陰陽説で陰陽を表す「兄」「弟」の「兄」で、強いとかはっきりしたということを意味します。つまり「金の兄」といえば、「金」の気が強くはっきりした日と言うことになります。五行説ではそれぞれの気の間に仲のよくない関係を示す「相剋(そうこく)」という考えがあります。「剋」は「かつ」とも読まれます。例えば、水と火は仲が悪く、水は火を消す作用があるから

  水剋火(すいこくか) = 水は火に剋(かつ)

 という具合です。三伏の日は季節は「火」で日は「金」。これは

  火剋金(かこくきん) = 火は金に剋(かつ)

 です。「金」は金属を表す言葉ですが、金属は火に当たると溶けてしまうから火は金より強い、金の気からすると火の気は苦手な相手なのです。「金」は季節では「秋」を示す気とされています。つまり三伏の日は秋の気を表す「金」の気を胎蔵した日であるにも拘わらず、その気が夏の「火」の気に圧倒されてしまう日と言うことになります。まあ、確かに三伏の時期は金属も溶けてしまうのではないかと言うくらい暑い季節ですから、なるほどという気がします。この「金気」を融かすほど暑い時期であることから、「三伏の候」といえば暑中の候の意味で使われるようになりました。さて、「梅雨も明けたことだし、そろそろ暑中見舞いでも書くか」と思っているそこのあなた、その文の中に「三伏の候」という言葉をさらりと入れてみるのは如何でしょうか?(「2018/07/17 号 (No.4308)」の抜粋文)

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