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【冬霞】(ふゆがすみ) [日刊☆こよみのページ]

【冬霞】(ふゆがすみ)
 冬に立つ霞。冬の季語。 《広辞苑・第七版》

 霞という言葉は、遠景がぼんやり見えるような現象に対して広く使われる言葉です。霞む原因が薄い霧であるのか、煙や黄砂の類であるか特に断ることは無いそうです。「霞」単体であれば春の季語となります。冬霞は風の無い冬の朝や夕方に遠景がぼやけて見える現象を俳句や和歌で表す言葉として使うことが多いようです。今朝はよく晴れた冬の朝。外に出ると残り少なくなった桜紅葉の風景に、薄くベールがかけられたように見えました。霧が出ています。冬霞の朝と言ってよいでしょう。ここのところ、朝には冬霞のかかる日が続いています。見慣れた景色が白い冬霞に溶けてゆく様子は、幻想的なものです。こんな日の草の葉はしっとりと濡れています。季節がもう少し進めば、草の葉を濡らしている冬霞の露が霜へと変わってゆくのでしょう。草の露が霜へと変わり、冬霞に霞む朝が当たり前に思える頃には、冬も本番を迎えることになるのでしょう。

                          (「2022/11/12 号 (No.5887)」の抜粋文)
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