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寒中のあれこれ [日刊☆こよみのページ]

■寒中のあれこれ
◇寒中の頃
 寒中は小寒と大寒の期間です。今年でいえば 1/6~2/3 がその期間ということになります。ああ、まだその半ばにも達していないんですね、この寒い季節。つ、辛いわ~辛い、辛いとぼやいていても仕方がないので、話の種として使わせていただくことにして、本日は寒中の話題あれこれです。寒中の期間となる小寒と大寒、二十四節気にはこの小寒と大寒のように「小と大」の組み合わせとなるものが他にもあります。小暑と大暑、小雪と大雪がそれです。この小、大は程度を表していると考えると解りやすいですね。「小」はその時期に入ったばかりで、これからこれからといった感じ、いわば序章です。そして極まるのが「大」。小寒の現在は、さあこれから寒い期間に入り、その後には寒さが極まる大寒が控えているという目印ですね(やっぱり、辛いわ~)。

◇寒中見舞い
 正月には年賀状を送る慣習が広く広がっていますが、寒の入りを迎えた頃からは新年の挨拶状である年賀状から「寒中見舞い」にその姿を変えます。寒中見舞いといえば、これと対をなす存在が暑中見舞い。こちらは夏の暑中(小暑~大暑の間、今年は7/7~8/6)の時期に出す挨拶状。暑中見舞いはよく見かける挨拶状ですが、それに比べて寒中見舞いはあまり見る機会がありません。やはり、その直前に大量に行き交う年賀状がありますから、年賀状の直後にまた寒中の挨拶状も無いと言うことでしょうか。先方が喪中などで、年賀状が送れ無かった場合など、寒中見舞いとして送るなどと言うことも以前はありましたが、昨今は年賀状そのものを送ることも徐々に減ってきていますから、年賀状代わりの寒中見舞いなんかも、もう行われなくなったかも知れませんね?

◇寒の行事
 寒の時期には、この厳しい寒さをはね返し、心身を鍛練しようと言う行事があります。寒中水泳、寒中登山、寒稽古、耐寒訓練などがそれです。寒の時期にこうした行事があるのは単に寒い時期だからでしょうか?勝手な想像ではあるのですが、何かが極まるという特別な瞬間には、特別な力があると考えたのではないでしょうか。寒さが一年で一番厳しい時期、寒さが極まるには、なにか特別な力があって、そうした力を取り入れようと言う意味があるように思えるのですが。如何でしょうか? (今のところ単なる想像です)。

◇寒の雨
 諺に

  寒の中(かんのうち)の雨は親の乳房
  寒雨(かんあめ)降ったら麦俵造っておけ
  寒九(かんく)の雨

 などというものがあります。いずれも寒の時期の雨を豊作の予兆だとする言葉です。大体、寒の時期は空気が乾燥しており、雨が降ることが少ないのですがこの時期に降る雨は万物を潤し生気を与える雨だと考えられて有り難がられました。「寒九」は寒の入りから九日目の日のことで、この日に雨が降れば田植え時にも十分な雨がえられて豊作を約束されると考えられました。そう言えば、冬は植物の生長の準備期間であり、この期間に植物は根を伸ばして春の芽吹きを待つ時期で、この時期にどれだけ根が伸ばせたかで、その後の成長の度合いが左右される季節だと考えられました。その冬の極みの時期である寒に降る雨は、根を伸ばしつつある植物にとっては正にに恵みの雨。恵みの雨でしっかりと根を伸ばせれば、その後の植物の生育は約束されたようなものだと考えたのではないでしょうか。以上、寒にまつわるあれやこれやを書き連ねましたが、ご存じのとおり私は大の寒がり(略して「大寒」・・・ではない)。寒の期間は出来るだけ暖かい部屋に籠もって春を待ちたいと思って下ります。

                          (「2023/01/14 号 (No.5950) 」の抜粋文)
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