SSブログ

冬至と南瓜 [日刊☆こよみのページ]

□冬至と南瓜
 本日は冬至。冬至の話題と言えば、暦に関しては山ほどありますが、腹が減っては戦は出来ぬということで(?)、腹ごしらえのつもりで、本日は食べ物の話。冬至南瓜(とうじかぼちゃ)の話をすることにします。

◇冬至南瓜
 冬至には南瓜を食べるといいと言う、冬至南瓜の風習は広く行われるものです。私の生まれた東北の片田舎でも、自宅のある近畿の片田舎でも、そして現在住んでいる東京でも冬至には南瓜。ただし、食べ方は多少異なっているようですけれど、その辺は小さな差異と言うことにして、冬至に南瓜を食べる理由を考えてみましょう。南瓜はビタミンAを多く含み、野菜の不足する冬に向けて体力をつけるという意味があるのだそうです。これは栄養学的な理由で、よく聞く理由でもあります。実際にそうなのかもしれませんが、この栄養学的な理由から冬至南瓜が始まったと言うのには無理が有りそうです。だって、南瓜は元々は日本にはなかった野菜だったのですから。南瓜の語源は「カンボジア」だと言うことです。この名の示すようにカンボジア経由で日本に伝来した舶来野菜です。その伝来は中世以降とのこと。現代とは違いますから、輸入されてすぐにその栄養成分が解るわけもなく、こうした「栄養がある」という観点は大分後からでないと生まれないもののはず。ではなぜ冬至南瓜?

◇冬至南瓜の由来は呪(まじな)い?
 南瓜は舶来のなじみのない野菜。尚かつ夏野菜で冬の冬至の時期が旬というわけは有りません。このなじみの薄い旬でもない野菜をわざわざ冬至に食べるようになったのでしょうか?この謎を解くのは、冬至南瓜を呪いの一種とする見方です。冬至は「一陽来復」の日。陽の気の兆しがようやく見え始めた冬至の日に、
  
  南方(陽の方向)から渡来した野菜 (名前なんかずばり「南瓜」)
  夏(陽の季節)の野菜
  赤(陽の色)味がかった色の野菜

 である南瓜は、「陽の気を助長する最高の呪物」と考えられたのでは無いかと云うものです。これは、日本の風習を陰陽五行思想の観点から研究した吉野裕子さんの説。ただ、この吉野説でも「わざわざ手に入りにくい野菜である南瓜」が使われたのかという点には疑問が残りますがこの点は、冬至南瓜は「直会(なおらい)」の料理なのではないかと考えると説明が出来るように思います。神へ供物を捧げ、その供物のお下がりを神とともに食べるという神事にはよく見られる直会の儀式と考えれば、神への供物として舶来の珍しい(つまりは、貴重な)野菜をわざわざ選ぶ理由もわかる気がします。この部分はかわうその憶測ですが。何はともあれ、本日もまた冬至南瓜を食べて、力を弱めた太陽に早く元気になって頂きましょう。早く暖かくしてくれるように。太陽がんばれ!!そして私達も太陽同様に冬至南瓜を食べて、冬の寒さを吹き飛ばす力を得ようじゃありませんか。なお、冬至についてもっと読んで見たいなという方はWeb の記事をお読み下さい(よろしく。宣伝です)。

  ⇒冬至の話 ( http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0748.htm )
                                
                                 (「冬至と南瓜」の抜粋文)
nice!(0)  コメント(0)