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【時雨の色】(しぐれの いろ) [日刊☆こよみのページ]

【時雨の色】(しぐれの いろ)
 時雨のために色づいた草木の葉色。《広辞苑・第六版》

 春と秋は様々な点で比較されることの多い季節です。野山の鮮やかな彩りという点で、春と秋はどちらも艶やかな季節。その点でも比較の対象となる季節のように思います。野山の彩りという点で言えば、春と秋の間にある夏や冬はというと、夏は強い陽射しの下で、その陽射しを満喫するかのように茂る木々の葉、草々の葉緑一色、冬は葉を落とした裸木に幹の黒と霜や雪の白のツートンカラー。どちらも様々な色の溢れる季節という印象は薄いです。春と秋はと言えば、木々も草々もそれぞれ異なった、様々な色を見せます。まるで、それぞれの木々が草々が、自分の存在を顕示したいかのように。様々な色を見せる春と秋ですが、それぞれの彩りの主役はと云うと二つの季節では春は花の色、秋は葉の色と異なっています。「時雨の色」は秋の色の主役となる草木の葉の色を言い表した言葉です。時雨は晩秋から初冬に降る雨の名です。時雨そのものに色を見つけることは難しいですが、その時雨の降る野山に目を向けるとそこには色とりどりの草木の葉。まるで時雨が降ることによって草木の葉が様々な色に塗り分けられて行くかのようです。今、季節は初冬から仲冬へと移る頃。野山の色も時雨の色から、黒白二色の冬の色へと間もなく変わる頃です。(「2019/11/14 号 (No.4793)」の抜粋文)


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