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【風薫る】 [日刊☆こよみのページ]

【風薫る】
 初夏の涼しい風がゆるやかに吹くのにいう。薫風。夏の季語。猿蓑「夕飯にかますご食えば風薫る」(凡兆)  《広辞苑・第六版》

 一昨日、昨日と気温が上がりました。30℃を超えた地域もあったことがニュースで伝えられていました。現在は暦の上では立夏。夏の領分に入っていますから、これからはこんな日が増えてくるのでしょう。ただ、こんな暑い日があったとしてもそこはまだ真夏とは違います。日差しは強く気温も高くとも、吹く風は涼しく心地よいものです。盛夏の時期に吹く熱風とは違います。本日採り上げた「風薫る」はこの季節を形容する言葉。「薫る」とあるようにこの季節に吹く風は涼しさだけではなく、ほのかな香りも運んできます。この季節には多くの花が咲く季節でもありますから、花々の間を吹き抜ける間に、風にも香りが移っているのでしょう。「薫」という文字は元々は、香りを立てるために焼かれる香草を指すものだったそうですが、人がわざわざ焼かなくとも、草花の間を吹き抜ける風が自然に草や花の香りを運んでくれるようです。急に暑くなると身体の方は大変ですが、そんな身体を休めてくれる芳香を吹くんだ風を楽しめる季節でもあります。暑い暑いと嘆くばかりでなく、風薫る季節を楽しみたいでね。

                          (「2023/05/19 号 (No.6075) 」の抜粋文)
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