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【零余子】(むかご) [日刊☆こよみのページ]

【零余子】(むかご)
 珠芽(しゅが)と同義。また、特にヤマノイモの葉のつけ根に生ずる珠芽を指す。ぬかご。秋の季語。 《広辞苑・第六版》

 畑であればナガイモ、山であれば自然薯(じねんじょ)などの葉腋(ようえき)につく大豆くらいの大きさの実のようなもののことです。大きさについては小豆ほどの小さなものから小鳥の卵ほどのものまで様々。大きな零余子を見つけるとなんだかうれしくなります。私の家の周りには里山が沢山残っていますのでそこに足を踏み入れると野生のイモの蔓が見つかり、零余子がついているのを見かけることもよくあります。零余子はジャガイモをぐんと小型にしたような風貌、色合いで地中に出来るイモ同様、すり潰すと粘り気があります。煮ても焼いても食べることが出来るあたりも、地中の芋と同じ。沢山採れたら、炊き込んで零余子飯などにしてみるのもよいでしょう。零余子の「零」は数字のゼロを表すのに使われるように、わずかな残りとか端といった小さな量を表す文字ですが、また雨のしずくという意味や、こぼれ落ちるという意味もあります。沢山の養分を地下のイモに蓄えたその残りが地上の蔓の葉腋に養分のしずくとなって結実したものが零余子と言えるのでしょうか。晴れた秋の日、山を歩いて木に巻き付いた細い蔓を見かけたら、近寄ってよく見てみてみましょう。案外見過ごしていたイモの養分のしずく、零余子が隠れているかも知れません。

                          (「2023/09/22 号 (No.6201) 」の抜粋文)
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