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蟄虫戸を閉ざす [日刊☆こよみのページ]

■蟄虫戸を閉ざす
 今日は七十二候の一つ、「蟄虫戸を閉ざす」の候に入る日です。「蟄虫戸を閉ざす」といえば七十二候にはこれと対となる言葉があります。

  蟄虫戸を啓く

 こう書いてもピンと来ないかも知れませんが、「啓蟄」と書けばいかがでしょう? そう、二十四節気の啓蟄です。「蟄虫戸を啓く」は二十四節気の啓蟄の初候にあたり、今年は 3/5がその日でした。今日は9/28。虫たちが 3/5に起き出して戸を開け、今日戸を閉ざして眠りにつくとすると、虫たちの活動期間は 208日。残りの 157日は、土の中でお休み。 5ヶ月以上の冬休み。うらやましい・・・。もっとも、七十二候の「蟄虫戸を啓く」という言葉も「蟄虫戸を閉ざす」という言葉も、生まれたのは中国の内陸部。日本よりも大分平均気温の低い場所ですから、 5ヶ月以上もの長い休みをとるのは、きっとその中国内陸部の寒い場所で暮らす虫たちでしょう。二十四節気や七十二候が生まれた中国内陸部に位置する太原市の気温と、東京付近の気温を比較してみると

   3/05頃 太原市: 1~ 2℃  東京: 7~ 8℃
   9/28頃 太原市:13~14℃  東京:21~ 22℃

 6~8℃あまりも気温がちがいます。もし太原市の9/28頃の気温と同じくらいの気温の時期を考えると、東京では11月も中頃。この頃ならば間もなく木枯らしが吹くような時期。働き者の日本の虫だって、冬休みに入りたい頃にちがいありません。そんな寒い季節まではまだ一月半あまり。それまでは日本の虫たちは、もう少し働き続けてもらうことになりそう。働き者の日本の虫たちが「蟄虫戸を閉ざす」のは、まだ先のことのようですね。

◇おまけ
 「日本の虫たちは働き者」なのですが、まだまだ働いていますが、そろそろ姿を消してゆく生き物もいます。それは、蛙や蛇といった生き物。ちなみに「蛙」や「蛇」の漢字を見るとどちらも「虫偏」がついています。そう、蛙や蛇と言った生き物は、古代の人たちからは虫の一種と考えられていたのでした。だとすると、こうした生き物が姿を隠すようになる秋のこの時期は、日本においてもやはり「蟄虫戸を閉ざす」時期なのかもしれませんね。

                          (「2022/09/28 号 (No.5842)」の抜粋文)
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