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里と山、今年の豊作は? [日刊☆こよみのページ]

□里と山、今年の豊作は?
 十月にもなると、今年の米(稲)の作柄がニュースに登場するようになります。最近は食生活も多様化してきていますから昔ほどではないにしても、やはり「米」の出来具合は日本人の関心事の一つです。暦の上でも秋には行事が多いのですが、その理由の一つには秋が収穫の季節ということがあります。その年の収穫に感謝する行事が秋に集中するからです。

◇里の実りと山の実り
 秋の実りといって浮かぶものは里の実り、例えば稲であり例えば芋であります。その他にも山の実りというのもあります。例えばキノコ、例えば栗。キノコと言えば、秋になるとその出来不出来が必ず話題になるキノコがあります。日本人が病的なまでに有り難がる松茸がそれです。この松茸に関係する言い伝えには

  ・稲不作は松茸豊作
  ・お里がよければ山は悪い
  ・山豊作、里不作

 というものがあるそうです。これは松茸の豊作になる気象条件と稲の豊作となる気象条件が逆であるためだとか。八月の終わりから九月にかけて、雨が多くて気温が低めというのが松茸生育には望ましいとか。稲にとってはこの時期に実には葉で作った沢山の栄養分を溜め込む時期ですから晴れが続くことが望ましい。またこの時期に雨を運んでくるものとは「台風」ですから、収穫前の稲にとってはこれまた大敵。(「松茸は台風が運んでくる」という言い伝えもあるそうです。松茸は台風大好き?)確かに逆の条件のようです。こうしたところから先に挙げたような諺が出来たようです。

◇さて今年は?
 農林水産省が8/31に発表した8/15時点での2022年の稲の作柄概況を見ると47都道府県の内訳は

  やや良  11
  平年並み 24
  やや不良 11

 となっています。これを見ると今年の稲の作柄平年並みということになりそうです。ただ、9月には結構大きな台風が日本列島を通過しましたから、水稲の作柄にも影響したかも? また、台風好きの松茸にはどのような影響が?さてどうなりますか。皆さんの食卓を彩る里の実りと山の実り、はたしてどちらが豊作でしょう?

                         (「2022/10/07 号 (No.5851) 」の抜粋文)

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