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【桃】(もも) [日刊☆こよみのページ]

【桃】(もも)
 1.バラ科の落葉小高木。中国原産。葉は披針形。4月頃、淡紅または白色の五弁花を開く。
  果実は大形球形で美味。古くから日本に栽培、邪気を払う力があるとされた。
  白桃・水蜜桃のほかに、皮に毛のないツバイモモ(アブラモモ)、果肉が黄色の黄桃
 (おうとう)、扁平な蟠桃(はんとう)、観賞用の花モモなど品種が多い。仁・葉は薬用。
  「桃の花」は春の季語、「桃の実」は秋の季語。
   万葉集19「春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出で立つをとめ」
 2.木綿きわたの実。
 3.襲(かさね)の色目。表は紅、裏は紅梅。また、表は白、裏は紅。
  一説に、表は薄紅、中陪なかべは白、裏は萌葱もえぎ。3月頃用いる。
 4.紋所の名。桃の実や花をかたどったもの。
   《広辞苑・第六版》

 本日は旧暦三月三日、桃の節供と呼ばれる日。旧暦の桃の節供の日にかけて、「桃」を採り上げてみることにしました。暦の上に登場する「桃」というと七十二候の八番目、啓蟄の次候は「桃始めて咲く」があります。時期としては、3/10頃です。今は4月も半ばに近い時期ですが、まだ寝ぼすけの桃の花をちらほら見かけることがあるので、桃の花が完全に時季外れではありません。桃の花は、梅、桜と並び春を代表する花。私の中では梅が咲いて桜が咲いて、日差しも和らいだ頃に咲くのが桃の花というイメージがあります。そのイメージからすると4月頃の方が桃の花の季節という気もします。いかがでしょう?中国では桃には邪気を祓う霊力のあると信じられていました。上巳の節供に桃の花を飾り桃酒を飲むのもそうした桃の霊力によって、邪気を遠ざけるためなのです。伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が黄泉平坂(よもつひらさか)で追ってくる黄泉の国の鬼女を追い払うために桃の実を投げつけたというのも、桃には霊力があると考えていた証なのでしょう。桃の花が咲けば「邪」と寒さが遠ざかり、幸いと陽のぬくもりを呼び寄せてくれることでしょう。


                          (「2024/04/11 号 (No.6403) 」の抜粋文)
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