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葭始めて生づ [日刊☆こよみのページ]

□葭始めて生づ
 七十二候の一つ、二十四節気「穀雨」の初候は

  葭始めて生づ (あし はじめてしょうづ)

 です。今年(2024)は4/19 ~ 4/24がこの候の期間です。葭は、葦とも蘆とも書く水辺の多年草です。
 辞書の説明を借りれば、

【葦・蘆・葭】(あし)
 イネ科の多年草。各地の水辺に自生。世界で最も分布の広い植物の一。地中に扁平な長い根茎を走らせ大群落を作る。高さ約 2メートル。茎に節を具え葉は笹の葉形。秋、多数の細かい帯紫色の小花から成る穂を出す。茎で簾(すだれ)を作る。よし。菟玖波集「難波(なにわ)の葦は伊勢の浜荻」《広辞苑・第五版》

 さらに漢和辞典を引くと「葭」という文字の意味は、穂の出ていない葦とか。春になり、雪解けの水で水量が増え、水をかぶる川岸には、鋭い円錐形の葦の芽が川岸を覆った水面から顔をのぞかせます。葦の芽ですから、当然まだ穂は出ていませんので、漢和辞典の説明通りであれば、「葭」というべきでしょうか。この水面から顔を出した葦の若芽は、葦牙(あしかび)とも呼ばれます。その鋭い円錐形の姿を牙と見立てた言葉で春の季語ともなっています。また牙でなく、「角(つの)」と見て、葦角(あしづの)とも呼ばれます。冷たい水を葦の牙が切り裂いた後には、新しい季節が訪れるのでしょうか。

◇「あし」と「よし」
 ちなみに、【葦・蘆・葭】は「あし」と読む一方で「よし」とも呼びます。これは、

   あし = 悪し

 に通じるとして、この悪い連想を忌んで「よし = 善し」と言い換えるようになったものだと言われます。同じ感じで、正反対の意味の読みとは紛らわしい。縁起担ぎの言い換えも

   よしあし (善し悪し ? 葦葦)

 といったところでしょうか?何はともあれ、川岸に葭が生じ成長を始めるころには、川の水も温む季節となります。

                          (「2024/04/21 号 (No.6413) 」の抜粋文)
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