SSブログ

腐草蛍となる [日刊☆こよみのページ]

□腐草蛍となる
 今日、6/11(2018年)は立春から数えて26番目の七十二候、「腐草蛍となる」の時候の始まりの日でした。「腐草蛍となる」とは、まるで蛍は腐った草が変じて生まれるような感じ。アリストテレスの自然発生説みたいですね。積み重なった腐草のある辺りから、昨日まで見ることがなかった蛍が現れるのを見れば、大昔の人達が「蛍は腐草が変じたもの」と素朴に思ったとしても、無理からぬところでしょう。私の和歌山県にある自宅(ここしばらく帰っておりませんが)の辺りでも、この季節になると、夜の暗闇の中を飛ぶ蛍が見られるようになります。私の自宅の辺りでは「腐草蛍となる」は季節に合っていると言えそうです。

◇生物季節
 桜の開花日情報などで知られるように、全国の気象台ではその地域に生育する幾つかの動植物の開花や紅葉、初見や初鳴きなどの「生物季節」を観測し記録しています。蛍の初見もこうして観測される「生物季節」の一つの指標です。生物季節の指標は、桜のようにほぼ全国共通の生き物を使う場合もあれば、そうでない場合もあります。生き物のことですから、その生育する場所が異なるため、何もかも全国一律というわけにも行かないわけです。では蛍の初見はどうかというと、これはほぼ全国で共通に観測される項目となっていましたので、全国の蛍の初見日を集めれば桜の開花前線のような、「蛍前線」を日本地図の上に描くことが出来ます。

◇蛍の初見前線
 気象庁のサイトを探せばきっと「蛍の初見前線」的な地図が見つかるはずと思ったのですが、上手く見つけることが出来ませんでした。でも、やはり蛍の初見前線図はありました。見つけたWeb のページはこれ。

ホタル百科事典/ホタルに関する調査研究レポートhttp://www.tokyo-hotaru.com/jiten/report16.html

 ここに、期待したような地図がありました(1971~2000の平均値の図)。蛍の初見日の変化に見る温暖化の影響についての考察(蛍の初見日についてみると影響は見られないという結論でした)まであって、ためになるページでしたので、皆さんもお時間があればご覧下さい。さて、このサイトの図を見ると蛍の初見日の前線は5/20頃に九州地方に上陸し、順調に北上し、私の住んでいる辺りは6/10頃。東京を6/20に通過して7/20頃に終着地点の東北北部に到着するという具合のようです。「腐草蛍となる」の頃。さて、皆さんの身の回りで、腐草が蛍に変じるのはいつ頃ですか?(「2018/06/11 号 (No.4272) 」の抜粋文)
nice!(0)  コメント(0)