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腐草蛍となる [日刊☆こよみのページ]

□腐草蛍となる
 今日、6/11(2021年)は立春の初候「東風凍を解く」から始まる七十二候の26番目となる「腐草蛍となる」の始まりの日です(終わりは6/15)。「腐草蛍となる」とは、まるで蛍は腐った草が変じて生まれるような感じ。アリストテレスの自然発生説みたいですね。まあ、夕方に、積み重なった腐草のある辺りから昨日まで見ることが無かった蛍が飛び交う姿を見れば、大昔の人達が「蛍は腐草が変じたもの」と素朴に思ったとしても、無理からぬところでしょう。

◇生物季節
 桜の開花日情報などで知られるように、全国の気象台ではその地域に生育する幾つかの動植物の開花や紅葉、初見や初鳴きなどの「生物季節」を観測し記録しています。蛍の初見もこうして観測される「生物季節」の一つの指標です。生物季節の指標は、桜のようにほぼ全国共通の生き物を使う場合もあれば、そうでない場合もあります。生き物のことですから、その生育する場所が異なるため、何もかも全国一律というわけにも行かないわけです。では蛍の初見はどうかというと、これはほぼ全国で共通に観測される項目となっていましたので、全国の蛍の初見日を集めれば桜の開花前線のような、「蛍前線」を日本地図の上に描くことが出来ます。

◇蛍の初見前線
 気象庁のサイトを探せばきっと「蛍の初見前線」的な地図が見つかるはずと思ったのですが、上手く見つけることが出来ませんでした。でも、やはり蛍の初見前線図はありました。見つけたWeb のページはこれ。ホタル百科事典/ホタルに関する調査研究レポート

http://www.tokyo-hotaru.com/jiten/report16.html

ここに、期待したような地図がありました(1971~2000の平均値の図)。蛍の初見日の変化に見る温暖化の影響についての考察(蛍の初見日についてみると影響は見られないという結論でした)まであって、ためになるページでしたので、皆さんもお時間があればご覧下さい。さて、このサイトの図を見ると蛍の初見日の前線は5/20頃に九州地方に上陸し、順調に北上し、私の住んでいる辺りは6/10頃。東京を6/20に通過して7/20頃に終着地点の東北北部に到着するという具合のようです。また、同じサイトには気象庁の生物季節観測累年表(ホタル)の1953年~2007年のデータか71箇所を地方別に分類し、地方毎の蛍の初見日の変化をグラフに下ものも掲載されて、これを見ると関東地方の蛍の初見日は5/22頃~7/1頃その中間値は大体6/11頃ですので、七十二候の「腐草蛍となる」はかなりいい線いっているようです。なお、日本の暦と言えば長いことその基準となる場所は京都でしたから、関西地方のグラフも見ると、5/15頃~6/11頃。七十二候の日付は、ちょっと遅いかな?まあ、皆が皆気象庁の観測者のように目を皿のようにして蛍の初見日を観察しているわけではないでしょうから、七十二候の日付がこのグラフの初見日よりちょっとくらい遅れても、誤差の範囲と言えそうです。なお、このサイトの記事を読むと、近頃騒がれる温暖化や異常気象の影響は蛍の初見日については、あまり影響がないようです。さて、本日は七十二候の「腐草蛍となる」の時候の始まりの日と言うことでこの暦の上の日付と蛍の初見日を見てみましたがいかがでしたか?そろそろ皆さんの住む場所でも、腐草が蛍に変じて飛び交い始めているかもしれませんね。(「2021/06/11 号 (No.5368)」の抜粋文)

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