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【山茶花】(さざんか) [日刊☆こよみのページ]

【山茶花】(さざんか)
 (字音サンサクヮの転)ツバキ科の常緑小高木。四国・九州の暖地に自生。高さ約 3メートル。葉は厚い。秋から冬にかけて白花を開く。八重咲・一重咲、淡紅・濃紅など園芸品種が多く、庭園・生垣などに植栽。種子は大きく、油を採る。材は細工物にする。ヒメツバキ。漢名、茶梅。冬の季語。《広辞苑・第六版》

 山茶花は晩秋から初冬に咲き始める花です。本日(2018/10/30)の「今日の誕生花」に、この花の名前を見つけて、そろそろ冬かと、季節の移り変わりに気が付きました。1日1日が積み重なれば季節も変化して行くのは当たり前のことですが、そんな当たり前のことさえ忘れがちな昨今。気づくことが出来てよかった。さて、山茶花と書いて「さざんか」と読むのはなかなか難しい。どうしてこの文字でこの読み方になったのでしょうか。元はその文字のとおり「さんちゃか」のように呼ばれていたものが変化して現在の読みになったようです。山茶花は椿とよく似ています。専門的に見ればいろいろと違いがあるのでしょうが、素人目にはなかなか解りません。それがはっきりするのは花が散るときでしょうか。椿は花が枝に付いたままの状態でぽとりと落ち、山茶花は花びらが一枚一枚わかれてはらはらと落ちます。山茶花は日本原産の木です。この山茶花の古名に「こかたし」というのがあるそうですが、この名前は「小さいかたし」の意味。して「かたし」は何かといえば椿を指す言葉だというので、昔の人も山茶花は小型の椿くらいに思っていたようです。木そのものは日本原産ですが「山茶花」という言葉は中国から渡来した物。こうした場合、往々にして物と名前の取り違いが起こるのです。中国では「山茶」は椿の漢名で、椿の花を「山茶花」と書いたそうです。では山茶花の漢名はというと、こちらは「茶梅」。なんだかややこしい。山茶花は冬の初めに咲く花です。10月末ではまだその開花には早すぎる気もしますが、何処かでは気が早い山茶花が咲き始めるものもあるのかな?もし、気の早い山茶花を見掛けたら、日本の山茶花と中国の山茶花(椿)との違いを考えてみて下さい。(「2018/10/30 号 (No.4413)」の抜粋文)
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【時雨】(しぐれ) [日刊☆こよみのページ]

【時雨】(しぐれ)
 (「過ぐる」から出た語で、通り雨の意)
 1.秋の末から冬の初め頃に、降ったりやんだりする雨。冬の季語。
  万葉集8「時待ちてふりし時雨の雨止みぬ」
 2.比喩的に、涙を流すこと。「袖の時雨」
 3.一しきり続くもののたとえ。「蝉時雨」
 4.小督局(こごうのつぼね)の用いた琴の名。
 5.本阿弥光悦作の名物茶碗の名。
 6.時雨羹(しぐれかん)の略。
 7.時雨饅頭(しぐれまんじゅう)の略。 《広辞苑・第六版》

 晩秋から初冬にかけて、晴れた空が急に雲が広がり、降りだす雨です。急に降り出したかと思うと急に止むのもこの雨の特徴。降っては止み、止んではまた降る雨脚の軽い通り雨です。雲の動きにあわせて行き過ぎる雨は、秋から冬へと変わって行く季節の姿のようです。晩秋から初冬に降る雨ですから、時雨は冷たい雨。気温が更に下がって行くと時雨はやがて霙(みぞれ)となり、更に寒さがつのれば、雪へと変わって行きます。時雨が去った後に残された濡れた枯れ草の色は、彩り豊かな秋を締めくくる色なのかもしれません。(「2018/10/28 号 (No.4411) 」の抜粋文)
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カブとサツマイモの収穫です! [菜園便り]

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小カブです。虫害もなく、順調に育っています。


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鳴門金時、収穫しました。収穫量は期待はずれ、残念(T_T)
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新旧・秋の七草 [日刊☆こよみのページ]

□新旧・秋の七草
 今日から節切りの暦(二十四節気の「節気」で暦月を区切る暦)では九月に入ります。節切りの暦では秋は七月~九月ですから、いよいよ秋も終わりの月に入ったということです。秋も残すところ、一月か・・・。おっと、秋が終わらないうちに、秋の話題は使い切ってしまわないと。ということで、本日は少し遅れた感はありますが、新旧の秋の七草の話について書いてみたいと思います。

◇いろいろな、秋の七草
 秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花
 萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花また藤袴 朝貌の花 (山上憶良)

 秋になると、思い出すのは秋の七草の名。そして浮かぶのはこの山上憶良の七草ですが、実際にこの七種類の花を秋の野で探し出すのはかなり難しい。藤袴などは殊に。私は野原に咲いている藤袴を見たことがありません。憶良さんも、もうちょっと見つけやすい花を選んでくれていたらよかったのに。おっと、ボヤキはこの辺までにして、そろそろ本題に。秋の七草というと、どうしてもこの憶良の選んだ七つの名が浮かびますが、何も秋に咲く花はこの七種類だけというわけではありません。それどころか秋は、多くの花の咲く季節ですから、七つに限定するのが難しいほど多くの花が咲きます。いろいろな「七草」があってもいいですね。そう思うのは何も私だけではないようです。花の好みは、時代によっても変わるでしょうし。私のように、これ以外の七草があってもよいのではと考える人たちがいて、「新秋の七草」というものもいくつか考えられておりました、例えば昭和10年に、東京日日新聞社(現在の毎日新聞東京本社)が当時の各界の名士に依頼して選んだものがあります。

  コスモス 白粉花 秋海棠 葉鶏頭 菊 彼岸花 アカノマンマ

 がそれです。アカノマンマは犬蓼(いぬたで)の異称ですが、私にもアカノマンマのほうが、花のイメージが湧きます。もっとも、私の場合は「アカマンマ」としてくれた方がしっくりきますけれど(子供の頃、そう呼んでいたもので)。秋の七草で「犬蓼」だと、ちょっと悲しい名前のような気もしますし。別に「犬」を悪く思っているわけではありませんので、愛犬家の皆様、お気を悪くなさらぬように。他に、昭和55年に植物学者の本田正次博士らが選んだ

  ホトトギス ノギク カルカヤ ヒガンバナ マツムシソウ またワレモコウ リンドウの花

 というのもあります。読みの調子は、憶良の歌にあわせてあってよい感じですが、「カルカヤ」ってどんな花だったかな? なんて思い出せない花もありますけれど。どうでしょう、新旧(+新々?)秋の七草。あなたのお気に入りは? あるいは、お気に入りの花は入っていますか?秋の七草は、何か決まった七つでなければいけないというわけではありません。沢山の花の咲くこの季節、その多くの花の中から、自分の秋の七草を探してみましょう。秋の七草を探すというより、それを切っ掛けとして秋に咲く沢山の花に目を向ける楽しさを知るためにも。(「2018/10/09 号 (No.4392)」の抜粋文)
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寒露の頃 [日刊☆こよみのページ]

□寒露の頃
 明日から二十四節気の一つ、寒露の時節となります。寒露は九月節ですので節切りの暦ではこの日から九月となります。現在は、太陽の中心が黄道座標という天体の位置を表す座標(主に太陽系内の天体の位置を表すのに使われます)で、経度 195度となる瞬間を含む日を「寒露」の節入りの日としています。今年、2018年で云えばその日は明日、10/9~10/22が寒露の期間です。江戸時代に出版された暦便覧という本では寒露(かんろ)を陰寒の気に合って、露むすび凝らんとす れば也と説明しています。このころになると秋もその深さを増して、朝夕は草の上に冷たい露を結ぶようになります。朝、散歩(たまにしかしませんけど)をしていると、確かに草の葉には露が結んでいます。夏草に結ぶ露ならば、露に濡れても暑さを凌ぐ一助ともなって心地よいものですが、寒露の頃の露に触れると、その冷たさに思わず身震いしてしまいます。

◇金生水(きんしょうすい)
 五行説では秋は金気、つまり金属の性質を持った季節とされています。金属は、触れば堅くて冷たいものです。金属のこの「堅い」という性質から、秋は堅い木の実(栗やどんぐり、椎の実など)、穀物の実(稲や大豆)が実る季節なのだと古代の人々は考えました。また、ひんやり冷たい金属の表面には露がつきやすいことから、金属は水を生み出す性質があるとも考えられました。ですから五行の金気は相生説では、「金生水(金、水を生ず)」と説明されることになりました。こう考えると、金気の季節、秋に二十四節気の内で「露」の着く白露や寒露という名が使われたのもよく分かります。秋は、実りをもたらすとともに、大気を冷やしてせっせと水を生み出す季節なのですね。

◇秋も終盤
 寒露は暦の上の秋の始まり、立秋から数えて60日目頃。一年を四季に分割すれば、一つの季節の長さはおよそ90日ほどですから、秋も終盤と云うことが出来そうです。このころになると菊の花が咲き始め、秋の野にも様々な花を見ることが出来ます。山の木々の葉はそろそろ紅葉の準備に入るころですし、足下の草露は冷たいですけれど、目には楽しい時期といえそうです。さて、寒露を過ぎ更に寒さが増して行けば、やがて冬がやってきます。冬は五行説では水気の季節。金気の秋が草の上に露を結ぶことを繰り返すと、やがて水気の冬が来る。古代の人々はこうして四季が交替して行くと考えたのでしょう。とっても単純な考えですけれど単純だからこそでしょうか、妙に納得できるものがあります。二十四節気が誕生してから二千年経っても、人間は相変わらず単純に出来ているようです(少なくとも、私は)。(「2018/10/07 号 (No.4390) 」の抜粋文)
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