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【立葵】(たちあおい) [日刊☆こよみのページ]

【立葵】(たちあおい)
 1.アオイ科の観賞用多年草。アジア原産。高さ 2メートル、葉は心臓形で、縁は5~7に浅裂、
  葉面に 皺(しわ)がある。春夏の頃、葉腋に紅・白・紫などの美花を開く。園芸品種が多い。
  ハナアオイ。 ツユアオイ。ホリホック。蜀葵。夏の季語。
 2.エンレイソウの別称。
 3.紋所の名。茎のある葵の葉3個を杉形(すぎなり)に立てたもの。《広辞苑・第六版》

 5 月も後半となり、背の高い立葵が蕾をつけ始めました。まだまだ硬く小さな蕾ではありますが,、葵は初夏の頃に花を咲かせます。高さは 2メートルにもなりますから、すっくと立つその姿を眺めると余程背の高い人以外はみな、見上げるような角度で眺めることになります。初夏の空を背負うようにして桃色や白色の大きな花を咲かせる立葵の姿は、子供の頃に見上げた大人の姿を連想させます。何でも知っている大人、何でも出来る大人、そんな子供の目からは畏敬の対象だった大人の姿が、立葵から連想してしまいます。梅雨葵はこの立葵の別名。この名前は、梅雨の頃に花をつけるところから生まれたものでしょう。この花はまず最初に根元に近い蕾から花が開き、日を追うように下から順に先端部の上へと花が開いて行きます。この花の時期が梅雨の時期とよく合っているのだといいます。江戸時代に書かれた『世事百談』と言う書物には、梅雨入り、梅雨明けの時期がはっきりわからないときには、立葵の花が根元から咲き始めたら梅雨入り、だんだんと標(すえ)の方に咲き終わる時期を梅雨明けとすればよいと梅雨入り、梅雨明けの目安の植物として紹介されています。大人を思わせる背の高い立葵はやはり何でも知っている花のようです。散歩していたら、蕾をつけた立葵を見掛けました。蕾はまだ小さく硬いものでしたので、この立葵が梅雨の季節を知らせてくれるのは、もう少し先のことのよう。後どれくらい先かな?すっくと立った立葵の先に拡がる青空を見上げて、そんなことを考えたのは昨日のことでした。(「2019/05/19 号 (No.4614)」の抜粋文)

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